天気と人の心
先月までは、「寒いよ~、春はまだか~?」 なんて、今頃言うようになるとは、考えもしなかった。まったく近頃の天気は極端から極端に振れる傾向がある。
この寒さは、週末まで続くそうだ。週末といえば、もう彼岸の入りである。「毎年よ彼岸の入りが寒いのは」とは、正岡子規の句だが。
今月初めに急に寒くなったときは、毎年の「彼岸の入りの寒い」のが、3週間前倒しで来たのだと思っていた。それまでは、梅の咲くのも菜の花の咲くのも、ずっと平年より 3週間前倒しだったので、そう思ったのだ。
私は「和歌ログ」なんていう別サイトで、3年以上、写真入りで毎日和歌を詠んでいるので、そのあたりの記憶はかなりしっかりしているのだ。そして、1週間もすれば、また暖かくなると、高をくくっていた。
しかし、そうではなかったのはご存知の通り。あれからこっち、ずっと寒くて 2月と 3月が裏返ってしまっているじゃないか。
そんなわけで、最近は寄るとさわると天気の話でもちきりである。そういえばフランス人は、英国人がしきりに天気の話をするのを理解できないということを聞いたことがある。
フランスは大陸国家だから、天気も大ざっぱで、話題にするほどのおもしろさもないのだろうが、英国は日本同様に島国だから、お天気の微妙なアヤに敏感になるのである。この「微妙なアヤ」がいいのである。これが人の心をも繊細にするのである。
しかし、近頃の天気は「微妙なアヤ」ではなく、「極端さ」で話題になってしまっている。なるほど、近頃、人の心も極端になっているわけだ。
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コメント
ロンドンに駐在していたことがありますが、英国の、それもイングランドの風土は日本以上に繊細・湿潤です。
それに彼等の自宅は彼等の城ですが、この城が庭を含めて実に繊細です。
ビジネスの会合の冒頭で天候の話題となるのは本当ですが、すぐに直截にビジネス・トークに入るのは、イングランド人の価値観とはそぐわないのでしょう。
understatement の人びとですから。
と言っても、これはシティーのオックスブリッジの人びとなどの話で、労働者階級やケルト系の人達の気質は少しちがいます。
投稿: alex99 | 2007年3月16日 20:14
alex さん:
>understatement の人びとですから。
なるほどね。
だから、英国人とは喧嘩になりにくいんですね。
パリジャンと話すると、
「てめぇ、喧嘩売ってんのか?」 と言いたくなりますけど ^^;)
投稿: tak | 2007年3月16日 21:55