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2007年3月 2日

マイ箸その後

今年の 1月 19日に 「マイ箸を持ち始めた」 というエントリーを書いて、思っていた以上の反響があったのだが、ほぼ 1ヶ月半経った今でも、ちゃんと使い続けている。

最初は、自分だけおもむろにふところから箸を出すのがちょっと気恥ずかしかったが、今ではすっかり慣れてしまった。

正直なところ、本当は初めのうちはマイ箸を使うというのは変てこなプレッシャーがあった。多分、いいこととはわかっていながら、電車で老人に席を譲ることができないとか、道端のゴミを拾って屑篭に捨てることができないという、変に自意識過剰な人は、マイ箸なんて使えないんじゃないかと思う。

私なんかは、電車で席に座っていて、近くに老人が立ちでもしたら、ほぼ脊髄反射的に席を譲ってしまうという、ごくごくシンプルな頭の構造をしている。その私にして、最初に一人で蕎麦屋に入り、蕎麦と一緒に出された割り箸を断って引き取ってもらい、おもむろにマイ箸を取り出して食べ始めた時は、なんだか照れくさい気がした。

実際にマイ箸を使い始めてみて、どうしてマイ箸が広まらないのかが、なんとなく実感できた。要するに照れくさいのである。周り中から変な目で見られているような気がするのである。素直に割り箸を使う方が、ずっと気が楽なのである。

しかし、はっきり言ってそんな気がするのは、自意識過剰以外の何物でもない。マイ箸というのは、常に自分の目の前の至近距離で使うので、自分にとってはものすごく目立つのだが、周囲には自分で思っているほどには目立たないのだ。どうってことはないのである。

慣れてしまえば、全然フツーのことになる。最初のプレッシャーをいかに乗り越えるかというのが、老人に席を譲るにも、マイ箸を使うにも、肝心なところである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

テレビがお嫌いだそうですが(笑)、NHKの「美の壷」という番組があり、最近、「箸」をテーマにしていました。
漆塗りの箸は、防湿や耐久性や美術的価値などに優れていると。
そう言えば、割り箸をなんども使い回しすることは原則としてありませんよね。
一度食したものや唾液という水分が染み込んでしまうし、漆で防護しないと耐久性もない。

庄内さんの「マイ箸」はどんなものですか?

私もいつも気になっているのですが、日本の箸は、先端が尖っていますが、中華料理の箸は、そうではありませんね。
日本の箸は、食物より先に箸が舌に接触するという不愉快さや味覚上の不都合を避けるために先端を細くしているそうです。

「たかが箸 されど・・・」という所でしょうか?

一節によると、割り箸は日本の間伐材を使用しているので、木材の乱伐にはつながらないのだと聞いたことがありますが、現在ではどんな材料を使っているのでしょうか?
輸入材でしょうかね?

投稿: alex99 | 2007年3月 2日 01:07

alex さん:

>テレビがお嫌いだそうですが(笑)

嫌いというほどでもないんですが、まあ、なくても全然困らないという程度です。

>庄内さんの「マイ箸」はどんなものですか?

最初は100円ショップでちゃっちいのを衝動買いしたんですが、後で、無印良品のちょっと光沢を抑えたシックなのに買い換えました。ちゃっちいのは、メインのマイ箸を忘れたときの予備として、バッグの奥にしまってあります。

>一節によると、割り箸は日本の間伐材を使用しているので、木材の乱伐にはつながらないのだと聞いたことがありますが、現在ではどんな材料を使っているのでしょうか?

割り箸が間伐材使用で、森林保護の役に立っていたのは、はるか昔のことのようで、本文で触れた 1月19日のログにも書いたんですが、今は 90%以上が中国製 (「製」ということは、中国で割り箸にまで加工されて輸入されてるということ)で、しかも、中国では日本向けの割り箸を作るためにのみ、シラカバなどの森林を皆伐方式で伐採しているらしいのです。

中国で自然破壊が進んだら、日本はとばっちりで大変なことになります。

で、「箸の使い捨ては日本の文化」 なんて悠長なことは言っていられないと、この部分は妥協しようと思ったわけです。

投稿: tak | 2007年3月 2日 11:40

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