潮来の空気の中に時間は止まる
私が現在居住する茨城県には、潮来市というところがある。あの「潮来の伊太郎」の登場する「潮来笠」に歌われた潮来である。「潮来花嫁さん」というのもあった。
実は、私は昨日もこの潮来市に仕事がらみで行ってきたのである(参照)。行く度に思うのだが、ここは不思議な街なのである。
潮来というのは、NHK ニュースなどに登場するときには決まって「水郷観光で有名な」という枕詞が付くぐらいなので、大層観光の盛んなところと思われているフシがあるのだが、行ってみると、これほどやる気のない観光地というのも珍しい。
私は縁あって何度か潮来を訪問しており、たまたま「あやめ祭り」の真っ最中に行ったこともあるのだが、そんな時でも、観光客なんているのかいないのかわからないぐらいである。「どっと繰り出した観光客」なんていう状況は、一度も目撃していない。
JR に「潮来」という駅もあるのだが、この駅にしても、ただ単に、電車の止まるところというだけのことで、とくに観光をフィーチャーしているようには思われない。この街の観光産業なんて、本当に成立しているのかいないのか、心配になるほどである。
水郷観光の雰囲気をよく表現しているサイトがあったので、リンクさせていただこう。こちら である。写真ページを順番にクリックしていくと、あまりにものんびりした、日本の国とも思われない空気が伝わってくると思う。
せっかく「潮来笠」という一大財産があるのだから、駅前に「潮来の伊太郎」の銅像でも建てておけばよかったのにと思っていたら、駅前にではないが、最近建てられたのだそうで、ググってみたら、なるほどあった(参照)。ちなみに、「潮来花嫁さん」の方も、これとセットになって建てられたようだ(参照)。
「潮来笠」 も 「潮来花嫁さん」 も、昭和 35年のヒット曲である。それから 45年も経った一昨年に、突然思い出したように、潮来市内の前川あやめ園というところに、お揃いで銅像が建てられたというのが、何ともはや、完全に時期を逸している。
いや、時期を逸したとみるのは、部外者の視点にすぎず、実は潮来の空気の中では、45年前なんてほんの昨日のようなものなのかもしれない。うむ、きっとそうだ。そうに違いない。
それは、一度行ってみて、潮来の空気を吸ってみれば、なるほどと理解される。潮来の街はそれ自体、不思議なタイムカプセルである。特殊な時空間なのである。行けばわかる。
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コメント
リンクありがとうございます。
潮来はおもしろいところですねえ。
あの近辺、だいすきです。
また機会があったらいってみたいです。
ぼくのブログからもリンクさせていただきます。
投稿: osa | 2007年3月24日 01:15
リンク飛んで全部見ました。ウケた。(笑)
takさんの話題は広い!これだから毎日拝見やめられません。^-^
投稿: banan=budapestlife | 2007年3月24日 07:44
osa さん:
さっさくのご返事、ありがとうございます。
記事中でリンクまでしてくださり、感謝です。
潮来周辺は、本当に「不思議感」がありますね。
潮来に限らず、探せば日本のあちこちにあるんでしょうけど。
それでも、「日本中にその名を知られていながら、誰も足を運ばない観光地」 というテーマでランキングしたら、多分、潮来がトップに来るでしょう。
それだけでも、貴重な文化遺産です。
今後も、過剰な賑わいをみせず、ひっそりと続いてもらいたいと思います。
投稿: tak | 2007年3月24日 09:26
banan=budapestlife さん:
> takさんの話題は広い!
広すぎてとりとめのないのが、問題といえば問題なんですよね ^^;)
投稿: tak | 2007年3月24日 09:29