「マイ箸」について再び考察
1月 19日に「マイ箸を持ち始めた」という記事を書き、一昨日には「マイ箸その後」として、ちょっと自分で突っ込んでみた。
こうしてみると、「マイ箸」 ってなかなか突っ込みどころのあるテーマである。環境保護、日本文化、マナー、自意識過剰という切り口、そして継続のためのノウハウなどなど。
自然環境保護という観点からすると、「割り箸は間伐材を使用しているので、森林保護に貢献している」などという説は、もはや過去の遺物となっていて、今や、中国製が 90%以上に達し、彼の地における皆伐方式による森林破壊の元凶になっているという事実がある。
割り箸はできるだけ使わない方がいいというのは、もはや自明の理である。
それでもなおかつ割り箸の使用が一向に減らないのは、「外食において箸を使い捨てにするのは重要な日本文化」というバックグラウンドゆえに、「外食でマイ箸を使うのは、案外『勇気』が要る」ことによる。
一昨日のエントリーで書いたように、外食でマイ箸を使うのは、案外気恥ずかしいものなのである。それは、箸という道具の性格上、自分の目の前の至近距離で使うため、ものすごく自意識に訴えかけてくるのである。他からはそんなに気にされないのに、自分だけはものすごく気になるのだ。
これは、いいこととわかっているのに、電車で老人に席を譲ることをためらってしまう「自意識過剰」みたいなところがあると、一昨日書いた。本当に、電車で席を譲れないタイプの人は、多分、マイ箸を使えないだろうと思う。
逆に言えば、積極的に電車で席を譲るタイプの人は、マイ箸も大丈夫だろうということだ。気持ちの問題としては。あるいは、割り箸に近い雰囲気の、白木に近い塗りの箸を使うと、抵抗が少ないかもしれない。
ここから先は、気持ちの問題よりもう一歩踏み込んで、継続のノウハウである。マイ箸を継続するには、常に携帯するという当たり前のことが重要になる。昼飯を食いに行くのにしょっちゅうマイ箸を忘れていては、「マイ箸を使ってます」とは言えない。
それだけに、「携帯しやすい」ということが必須のポイントである。あまり長いものや、大袈裟な箸箱、綺麗なだけで使いづらい箸袋などは、おすすめできない。
そして、使ったマイ箸の処理も問題になる。昼飯に使って、そのまま家に持ち帰って洗うことができれば問題ないが、晩飯にも使うときはどうするかということになる。私の場合は、ハンカチでよく拭いて箸箱にしまい、晩飯でも必要ならば、そのまま使っている。
衛生問題を過剰に問題にするなら、多分、細菌が増えていないわけはないと思うのだが、別にそれで病気になるわけでもない。ペットボトルの飲料を一日かけて飲み干すのと、どっちが衛生的かという程度の問題だと思う。
どうしても気になるなら、アルコールに浸したガーゼなんかを常に持ち歩いて (蒸発しないように密閉容器が必要だが)、それで拭き取ればいいと思う。いちいちアルコール付きのペーパータオルなんか使ったら、環境保護の視点からはあまり意味がない。
マイ箸の歴史はスタートしたばかりのようなものなので、各人がいろいろなスタイルやノウハウを作り上げつつある段階にあると思う。精神論だけに終わらず、ノウハウ交換をしなければ、このムーブメントは根付かないと思う。
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コメント
お邪魔します。がんなむぅです。
先日、飲食店での食事の際に、給仕される料理と一緒に割り箸が出されました。
「お箸は結構です。」と返却の意思表示をしたところ、「では、こちらに置いておきますので、お使い下さい。」と、丁寧に押し付けられました。
まぁ、その様な接客マニュアル(!)が、あるのかも知れませんが…。
『マイ箸』を使われる側のメンタル整備も必要と思いました。
投稿: がんなむぅ | 2007年3月 6日 08:19
がんなむぅ さん:
>『マイ箸』を使われる側のメンタル整備も必要と思いました。
ははぁ~、(ちょっと、暗澹 ^^;)
もっと言えば、頼みもしないのにへんてこな灰皿持ってくる店もあるし、開店直後に入ると、総出で最敬礼で迎えられて、ものすごく居心地の悪い百貨店もあるし、駐車場の料金自動支払機の横にスタッフが張り付いて、客がやる処理を全部やってくれちゃうところもあるし、銀行で「いらっしゃいませ」 というだけのためにうろうろしている人件費の高そうなおじさんもいるし…。
サービスっていったいなんなんでしょうね ^^;)
投稿: tak | 2007年3月 6日 08:58
再び、夜中にがんなむぅです。酒入ってます。恐縮です。
>開店直後に入ると、総出で最敬礼で迎えられて、ものすごく居心地の悪い百貨店もあるし、
15、6年前に、アルバイトで『サンタクロース(2人交代の着ぐるみの中身)』をやりました。(バブル真っ只中っすよ!)
開店のセレモニーで『この期間はサンタクロースもお出迎え』シチュエーションを、(その日の着ぐるみ中身2番手なので、変身前の)ジャージの格好で(居並ぶ制服姿のデパートガールの列に並んで)「いらっしゃいませ!」を経験しました。
最敬礼の(きらびやかなデパガの)お出迎えの列に、一種異様の“ジャージマン”!
まぁ…、その中にいることの…、居心地の悪さといったら…。
若干の自慢を込めた、“居心地の悪さ返し”の記入です…。
投稿: がんなむぅ | 2007年3月 7日 02:41
がんなむぅ さん:
へぇ!
「総出でお迎え」ということなんでしょうけど、ジャージ姿で出迎えさせる店の意図というのは、????ですね。
客の方だって ???? になるだろうし。
(このオニイサン、一体何者? みたいな)
百貨店というのは、なかなか理解しにくい風土があるようです。
投稿: tak | 2007年3月 7日 13:56