「しゃっくり」 の正体と止め方
昨日の TBS ラジオで、「しゃっくりの止め方」というのをやっていた。土浦協同病院の近藤司先生という方がいらして、この方はしゃっくりの権威なのだそうだ。
近藤先生がおっしゃるには、「体にある程度の刺激を与えるのが効果がある」ということで、2つのやり方が紹介されていた。
一つは、両耳に人差し指を突っ込んで、強く刺激するやり方。「痛くてたまらないほど」刺激する必要があるそうで、これを時計を見ながら、きっちりと 30秒以上続ける。これで、4回に 3回は止まるそうだ。
番組では、リスナーの中からちょうどいい具合に(?)しゃっくりが止まらなくなった人に電話してもらい、この方法を試してもらったところ、本当にすっと止まったのであった。そのリスナーの方は、「すっと空気が抜けた気がして、止まりました」とコメントしていた。
これは一人でもできる方法だが、しゃっくりが止まらずに病院に来た人には、「舌を引っ張る」という治療をするそうだ。乾いたガーゼのようなもので舌をつかみ、やはり 30秒ほど強く引っ張る。これは非常に効果的だが、かなり痛みを伴うそうで一人では難しいらしい。
私の妻が、結構しゃっくりの出る人なので、耳に指を突っ込む方法を伝授しておいた。「それでも止まらなかったら、思いっきり舌を引っ張ってあげるからね」と言うと、「そこまでされるぐらいなら、自然に止まるのを待つわ」と言っていた。私も、配偶者に閻魔大王のような振る舞いはしたくない。
しゃっくりの止め方以上に興味を覚えたのは、「しゃっくりとは何か」という問題である。これはつまるところは 「横隔膜のけいれん的運動」 だが、元々は胎児の頃の反射経験の名残であるらしい。
胎児は、母親の胎内にいる時、羊水中のごみが鼻やのどの奥に詰まると、横隔膜をけいれんさせてごみを吸い込むと同時に、ごみが肺に行かないように、瞬間的に声帯を閉じる。この一連の反射運動が、しゃっくりに相当するらしいのだ。少なからぬ妊婦は、「今、お腹の赤ちゃんがしゃっくりしてる」と、わかるらしい。
道理でしゃっくりをすると、不愉快さの一方で何ともいえず原初的で懐かしいような感覚があるような気がしていた。胎内回帰願望の一種なのかもしれない。
生まれて成長するとともにしゃっくりが減るのは、体内にこの反応を抑える「ギャバ」という一種のアミノ酸が生成されるからで、この「ギャバ」が足りないと、しゃっくりが出やすくなるという。で、「ギャバ」はチョコレートの中に多く含まれているというのである。
そう言えば、それをまんま商品名にしたチョコレートがあるな(参照)。しゃっくりの出やすい人は、これをたくさん食べるといいのかもしれない。太るリスクがあるけど。
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コメント
こんばんは蝠樂亭です
しゃっくりの止め方私の場合
横隔膜のけいれんなのだから横隔膜を目一杯引っ張ってやれば止まるはずと言うことで、息をこれ以上吸い込めないと言うくらい吸って止めます。そして息が苦しくなるまでそのままにしておけば難なく止まります。足がつったときに足首を掴んで伸ばすのと同じです。
うちの家内の場合
おもしろいからそのままにしておく、かなり変な人です。
takさんのおっしゃるように胎内回帰願望の一種なのだろうか?
いつまでもいつまでもひっくひっくしています。
投稿: fujioka | 2007年4月18日 20:32
fujioka さん:
うわぁ、8ヶ月近くも気付かずレスを付けずに放置していたのを、たまたま見つけました。
失礼しました。
いやぁ、なかなか素晴らしい奥さんですね。
投稿: tak | 2008年1月 3日 19:41