ペットボトルを捨てるにも、関西はエライ!
去年の秋、ペットボトルを捨てる時には蓋を取って捨てるというマナーがほとんど守られていないことを、私は嘆いた (参照)。
しかし、今回関西に行って、コンビニのゴミ箱を見て感心してしまったのである。ごく自然にペットボトルの蓋を取って捨てるように、ゴミ箱のデザインが工夫されているのだ。
件のエントリーには、ペットボトルのリサイクル現場からも、蓋をしたまま捨てられるのは困るとの声が上がっているというコメントが寄せられた。この問題を解決できるデザインがあることを、私は初めて知った。
写真は、兵庫県明石市で見かけたコンビニの店先のゴミ箱である。ペットボトル用のゴミ箱の左側の小さな穴は、キャップを入れるようになっている。そして、右側の部分をプッシュすると、ペットボトル本体を捨てられるようになっている。
なるほど、これならペットボトルを捨てるときに、自然にキャップを取って捨てることになる。キャップを捨てる穴には蓋がなくて、本体は蓋を押さなければ捨てられないというところがミソだ。これで、捨てる時に、ちょっとだけ考えることになる。
一緒に仕事をした関西人に聞くと、多くのコンビニで、この仕様のゴミ箱が採用されているとのことである。素晴らしいじゃないか。少なくとも私は、関東でこんなスマートなアイデアを見たことがないぞ。
このゴミ箱の中がどうなっているのかまでは確かめなかったが、入り口が別でさえあれば、中は一緒でも構わないと思う。要するに、捨てるときにペットボトルから蓋が取り外されるように、自然に誘導すればいいだけのことなのだから。
何しろ、フツーの日本人は変に勤勉だから、ペッボトルを捨てる時にさえ、わざわざ蓋をして捨てるのである。それでリサイクルの時に余計な手間がかかるのだ。その余計な勤勉さを防止するために、このデザインはなかなか考えられている。
人間の「知」は、脳みその外部にあったりするのである。例えば、押して開けるドアには取っ手がなく、"PUSH" と書かれた金属やプラスチックの板が貼り付けてあるだけで、引いて開けるドアには取っ手があったりする。これによって、ドアの開け方が直感的に理解されるのだ。
リサイクルのためには、ペットボトルの蓋を取るべきだと知らない人間でも、これなら自然に蓋を取って捨てるという行動に移りやすい。脳みその外部デザインとして、これはとてもさりげなく、しかも気が利いていると思うのである。日本中に広まってもらいたいものだ。
| 固定リンク
「自然・環境」カテゴリの記事
- 世界平均気温、今年は過去最高となるのが確実らしい(2023.12.06)
- 「グリーンウォッシング」による化石賞というお話(2023.12.05)
- 東京って「クマの生息している首都」なんだそうだ(2023.12.03)
- 「大富豪と CO2 増加」そして「資本主義と人口減少」(2023.11.22)
- 千葉県にはクマがいないことについて(2023.11.13)
コメント
秀逸なる物は自然で自己主張しすぎず、ストレスを感じさせませんね。
それ故、それが秀逸なアイデアである事になかなか気付きません。
男子小便器にハエ型等の的をつけたりすると、狙いたくなって
その結果周りを汚しにくくなる、というアイデア商品も面白かったです。
発案者の思う壺なのですが、むしろ進んで壺にはまってしまいます。
一方、ペットボトルのキャップをはめる行為ですが、
缶のプルトップを中に入れてから捨てるのと同じ匂いを感じました。
そういえばプルトップ缶ってなくなりましたね・・・。
投稿: bono | 2007年4月25日 13:09
bono さん:
>秀逸なる物は自然で自己主張しすぎず、ストレスを感じさせませんね。
>それ故、それが秀逸なアイデアである事になかなか気付きません。
同感です。
私は、いかにも 「デザインしました!」 というような製品には手を出さないことにしています。
それらの多くは使いにくかったり、壊れやすかったり、メンテしにくかったりするので。
>一方、ペットボトルのキャップをはめる行為ですが、
>缶のプルトップを中に入れてから捨てるのと同じ匂いを感じました。
ふぅむ、なるほど。近いかも。
それにしても、世間では 「ペットボトルを捨てるときはキャップを取ってから」ということが、具体的にキャンペーンされていませんね。
公共広告機構の CM も、イメージ先行なので、具体的なキャンペーンになってません。
http://www.ad-c.or.jp/campaign/self_all/03/index.html
投稿: tak | 2007年4月25日 22:46