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2007年4月11日

都知事選の総括にならない総括

東京都知事選での石原氏圧勝については、いろいろな人がもっともらしい解説をしているので、もはや「一ひねり」のしようもない。

当初、石原氏落選を期待していた(参照 1)私も、今月早々「マス・ヒステリー」ネタがらみで、白旗を揚げてしまった(参照 2)。対抗馬の浅野氏は、戦術的に頭が悪すぎた。

浅野氏は、勝手連に担ぎ出されたというイメージを演出しつつ、立候補の決意表明をした時がピークで、その後は、何の有効打も打ち出せずに、ジリ貧に陥るだけだった。彼の選挙戦術は、手垢が付きすぎていたようだ。

そもそも「勝手連に担ぎ出されて立候補決意」という演出自体も、はっきり言って見え見えのクサさが漂っていた。その後にそれなりのマニフェストでも打ち出してくれたら、この演出の「クサさ」にも目をつむってもらえたかもしれないが、それもかなわなかった。

要するに、「クサさ」だけが最後まで響いたのである。「脱政党」とやらで、政党色に染まるのを巧妙に避けたつもりが、実は「プロ市民色」に染まっただけで、その後にあせって「民主党色」にまで染まってしまったのだから、もう終わりである。

政見放送を聞いても、何ら明確な政策を打ち出せずに、キャッチフレーズとしては甚だあいまいな「変化」とやらを訴えるしかなかった。

10数年前に宮城県で通用した手法は、21世紀の東京ではまったく無力だった。ベビーフェイスでいい子ぶってさえいれば、市民の支持は得られるというのは、もはや幻想に過ぎない。

内容はどうでも「はっきりとものを言う」という姿勢さえ見せれば、大衆的支持は得られるのだという「小泉劇場」の教訓を、さっぱり生かすことができなかった。このあたりは、むしろ悪役の石原氏の方がずっとわかっていたようだ。

その石原さんだが、やっぱりこの人、おつむは単純なんだなあ。当選した途端に、恥ずかし気もなく喜色満面のはしゃぎぶりで、選挙期間中の「反省」なんて、もうどこかに飛んでいってしまったようだ。見てるこっちの方が恥ずかしいわ。

この人が「圧倒的支持」とやらを笠に着て、あと 4年間も都政を牛耳るのだ。わたしゃ東京都民じゃないから、直接的には関係ない。だから、どうなっても知らん。

私は、4月 2日のエントリーで、「東京都民の中には、12年前にあの青島幸男氏に投票するという愚を犯した人たちも、まだまだ大勢生き残っているし」と危ぶんでおいた、本当に、東京都民の中の投票率 40数%の中のほぼ 50% (要するに、有権者都民の約 2割強)の人たちのメンタリティって、よくわからない。

「東京都民の傲慢さ」と解説する人もいたが、私に言わせれば、「プチ・マス・ヒステリー」である。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

こんにちは。東京って既存のメディアを批判する視点っていうものがないような気がします。
関西でやってる「たかじんのそこまで言って委員会」という番組(「テレビタックル」に似てます)なんか関東圏以外の全国で放送されています。
関東圏で言えない話をやるから放送しないということでした。
他にも関西だと「またキムタクドラマかー」などとジャニーズにツッコミをいれたり、大手プロダクション所属のタレントの話題もあります。
しかし、東京だとそんなもの絶対ダメです。
要は発信されてる情報が多すぎてそれで終わってしまうような気がします。

おそらく「傲慢」でもなく、「マスヒステリー」の段階にすらいってなくて、「東京総白痴」みたいな感じじゃないでしょうか。

投稿: fb | 2007年4月13日 01:12

fb さん:

>こんにちは。東京って既存のメディアを批判する視点っていうものがないような気がします。

なるほどね。

「てやんでぇ、べらぼうめ!」と、一応のポーズはとって見せても、もっと日常的に根付いた部分で 「あいつ、あほやで」 と嗤ってしまう姿勢はないかもしれません。

「将軍様のお膝元」 時代からのメンタリティなのか、既存の権威と自己同一視する傾向も強いような気もします。「傲慢」 と批判する人は、この辺りを意識していると思います。

投稿: tak | 2007年4月13日 08:22

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