日本はまだまだ 「安全」 か?
先日、広島出張から帰る際に、いかにも日本ならではの光景を目撃してしまい、感動すればいいのか、呆れればいいのか、自分でも判断がつかなくて、固まってしまった。
それは、広島駅のトイレでの出来事である。一人の中年男性が、キャスター付きスーツケースを引っ張って入ってきた。
それは 5泊以上の海外旅行用といった大きなスーツケースというわけではなく、せいぜい 1泊用の小型のパックである。彼はそのキャスター付きパックを洗面所の隅に置いて、自分は「大」の方の用を足すために、個室のドアの中に消えた。
つまり、彼は大事な荷物をトイレの洗面所(つまり、ドアの外)に放置して、呑気にウンコしていたわけである。
私は自信を持って断言するが、日本以外の多くの国の大都市でこんなことをしたら、100%近い確率で彼の荷物は盗まれてしまうだろう。何しろ海外に出たら、荷物を自分の足元に置くときですら、両足の間に挟むように置かないと、安心できないくらいなのだから。
あるいは、盗まれずに済むとしても、持ち主不明の不審な荷物として通報されて、爆薬処理班の出番になってしまいかねない。いずれにしても、ただでは済まないのである。
それにしても、日本は平和で安全な国である。荷物をトイレの一画に放置してウンコしていても、誰もそれを持ち去ったりしないのだから。
しかし、こうも思う。今や日本だってそれほど安全な国じゃなくなってしまった。あんなことをしたら、日本でだって荷物を持ち去られてしまう確率が、15%か 20%ぐらいには高まっているんじゃなかろうか。ウンコの最中に荷物を個室のドアの外に放置するというのは、今や、一種のギャンブルに近い行為なんじゃあるまいか。
持ち去られてしまう確率が、50%に近くなったら、誰もウンコで荷物放置なんてしなくなり、そして日本人の振る舞いも国際標準に近くなり、その結果、「平和ボケ」なんて言われなくなるのだろうが、それはそれで、悲しいことではある。
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