「ヤンキー」 が、好きラー!?
コンビニの前でウンコ座りしてる若者に、西城秀樹が「好きラー!」と叫んだのがニュースになったのかと思ったら、違ってた。
Goo トップページ、「注目のトップニュース」 の欄に、"「ヤンキースキラー」 ヒデキ絶賛" と載っていたので、つい勘違いしてしまったのだが、この表記、やっぱりおかしいよなあ。
で、クリックしてみたら、下の方の画像でおわかりのように、「ヤンキースキラー」 ではなく、「ヤンキース・キラー」 と、いわゆる 「ナカグロ」 が入っていて、「ヒデキ」は「ヒデキ」でも、ニューヨーク・ヤンキースをキリキリ舞いさせた岡島秀樹投手のことだとわかったのである。
想像するに、元々の記事ではナカグロ入りの 「ヤンキース・キラー」 だったのが、インターネット配信の際に、急いだ担当者がナカグロを入れ忘れて、見出しを入力しちゃったんじゃないかと思う。まあ、よくあることだけど。
で、表記の問題だが、大方の日本人は 「ヤンキース・キラー」 と、ナカグロを入れてくれさえすれば、西城秀樹がヤンキーを絶賛したんじゃないということはわかると思うのだが、ことはもう少し複雑なのだ。
Recordonline.com の記事を見てもらえばわかるように、正しい英語の表記は、"Yankee killer" なのである。"Yankees Killer" じゃないのだ。(「ヤンキー」 と、単数形になる)
これは、英語では名詞を形容詞的に用いるときは単数形になるという文法規則によっているもので、例えば、ヤンキースのホーム球場は、「ヤンキース・スタジアム」 ではなく 「ヤンキー・スタジアム」 である。
で、この一応正しい英語をそのまま日本語のカタカナにすると、「ヤンキー・キラー」 になるのだが、こうすると、なんだか穏やかじゃないムードに包まれてしまう。米国人専門の殺し屋か、コンビニの前でウンコ座りしてる若い子専門の殺し屋みたいに思われかねない。あるいは、なぜかヤンキーにモテモテの女の子とか。
こんな場合にはあえて、英語としては間違いだが、 「ヤンキース・キラー」 と表記する方が、日本語としてはなんとなくしっくりくるということがあるので、ナカグロさえ付けてくれれば、あまり無闇なツッコミはしなくていいと思う。(ただし固有名詞の「ヤンキー・スタジアム」は間違えないでもらいたいが)
まあ、細かいことを言えば、無声音で終わってるんじゃないから、「ヤンキース」じゃなくて、「ヤンキーズ」であるべきだとか、いろいろあるのだが、それは置いておこう。(実感的には「ヤンキース」 に聞こえるしね)
とにかく言葉の表記というものは、とくに翻訳が混じってしまうと、本当に難しいところがあるのだ。
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