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2007年6月26日

またしても「マイ箸」にこだわってみる

今年の 1月から 「マイ箸」 を持ち始めて、半年近くになる。ここまで来ると、つい最近まで何の疑問もなく安物の割り箸を口に含んでいたことが、信じられない気がする。

近頃、「安物の割り箸免疫」が切れてしまったようなのだ。だから、たまに割り箸を使うと、明らかに違和感がある。

私の関係先のオフィスの近くに蕎麦屋がある。特別旨いというわけでもないが、値段の割には許せるそばを食わせてくれるので、昼食はそこで食うことが多い。そして、先日、マイ箸を持参するのを忘れたので、何ヶ月ぶりかで、その店の割り箸を使ってそばをたぐった。

すると、明らかにツユの味が違うのである。なんだか薬臭い「いやぁな味」がするのだ。半年近くも、しょっちゅう食いつけてきた味だから、その違いは明らかにわかる。店の割り箸の先を浸してしまったツユには、確かに、変な刺激のある夾雑物が溶け出しているのである。

ほとんどの割り箸は、防かび剤、防腐剤、農薬、漂白剤で処理されているというが、この時、確かにそうなのだろうと実感した。それらの薬品が、そばつゆの中に溶け出しているのを、私の舌は敏感に感じ取ったのである。

割り箸を当たり前に使っていた頃は、それには気付かなかった。しかし、半年近く割り箸から遠ざかった後に、久しぶりで使ってみると、その違和感は隠しようもない。

せっかく無農薬だの減農薬だのという食材を選んで食しても、安物の割り箸を使ったら、その意味がかなり薄れてしまうとみていいような気がする。

というわけで、私は今、マイ箸を使おうよと、改めて大いに勧めたい気持ちになっている。環境保護のためというのはもちろんだが、それは自分の健康のためにもなりそうだ。「環境なんか知ったことじゃないが、自分の健康だけは守りたい」というエゴイスティックな動機でも、とりあえずは、ちっとも構わないと思う。

とは言いながら、やっぱりマイ箸使用に踏み切れない人は多いだろうなあと思う。以前にも書いたが、電車で気軽に老人に席を譲ることのできない自意識過剰の人は、なかなかマイ箸も使えないだろう。

ということは、ある意味では、無理矢理にでもマイ箸を使うのは、余計な 「我(が)」に執着することを捨てるトレーニングにもなりそうだ。マイ箸を気軽に使えるようになったら、神経症とは無縁の人になれるかもしれないぞ。そして、電車で老人に席を譲ることをためらわずに済むかもしれない。

ちなみに、これまでの当ブログの 「マイ箸」 関連エントリーは、以下の通り。今回のは、第 5弾である。

 「マイ箸」 を持ち始めた
   マイ箸その後
  「マイ箸」 について再び考察
 やっぱり 「マイ箸」 でないとね

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

お邪魔します。がんなむぅです。

割り箸の『いやぁな味』は、スティックアイスの棒や、カップアイスに付いてくる(木製)板スプーンのそれと、同様の感覚と考えてよろしいでしょうか?

投稿: がんなむぅ | 2007年6月26日 23:45

がんなむぅ さん:

>割り箸の『いやぁな味』は、スティックアイスの棒や、カップアイスに付いてくる(木製)板スプーンのそれと、同様の感覚と考えてよろしいでしょうか?

えぇと、私、アイスクリームとかは滅多に食わないし、食っても、金属製のスプーンで食うので、よくわからんのです。

でも、同じ味がする可能性はとても高いような気がしますね。

木の味だと思っていたのが、実は、木にしみ込んだ薬品の味だったというのが、あるかと思います。

木を直接口に入れていたのでは錯覚するけれど、スープの中に溶け出してしまうと、「ありゃ?」 と初めてわかるという感じかな。

投稿: tak | 2007年6月27日 07:19

お久し振りです。いつも、「これは!」と思う話題の数々、
ありがたく読ませて頂いております。

今回も、変な味について自分が体験したように伝わるものが
ありました。

ちょうど、当地で販売されているアリ駆除剤について調べて怖くなったり
していたところだったので余計に感ずるところがありました。

以前は、お弁当や出前についてきた割り箸を捨てられず、といって使いもせず
溜めていましたが、takさんの記事を読んできた今では考えが変りました。

殺虫スプレーで死にかけた虫をティッシュでつかむのが怖いときや
掃除に使ったりして潔く捨てています。

投稿: banan | 2007年6月28日 01:57

banan さん:

アリ駆除剤が土質に影響しないわけがないですよね。

>殺虫スプレーで死にかけた虫をティッシュでつかむのが怖いときや
>掃除に使ったりして潔く捨てています。

それは名案。
ボロぎれで油汚れをふき取ってから食器を洗うのと共通してますね。

投稿: tak | 2007年6月28日 10:14

自宅でアリが出たので駆除剤を買ったものの、ハンガリー語表示が分からず
ネットで調べたら、偶然、かなり危ない成分だったと判明しまして。

EU加盟後、環境や消費者保護の視点など色んな面で徐々にEU基準に
なるだろうとタカをくくっていた自分がいましたが・・・

現実には、先進国ですでに使用禁止の検討がされている成分を
含む品がそろそろと流れ込んでいたわけで。怖くなった次第です。

>油汚れ
正に。特にカレーは、拭ってから洗うと格段にラクで速いですね

>わり箸
桶に漂白剤を入れてかきまぜるときや、そこへいれたフキンの上下を返すときにも。
(ビニル手袋が面倒な不精者です)

投稿: banan | 2007年6月28日 18:10

banan さん:

アリ駆除剤に限らず、消費者市場が成熟しないと、商品も成熟しませんね。

その意味では、日本の食肉市場も… ^^;)
でも、ミンチ肉なんて、世界中どこに行っても怪しい気がします。

引き出しにたまった割り箸の利用法は、なかなかいいかも。
ただし、もうこれ以上ためる必要はありませんが。

投稿: tak | 2007年6月28日 20:08

>ためる必要はありません
出前では注文の電話の際に断るようにしようと思います。

>消費者市場
消費者として成熟するにも、日本のニュースには様々な示唆が
あって勉強になります。

これからも楽しみに読ませていただきます。
ありがとうございました。

投稿: banan | 2007年6月29日 17:16

banan さん:

>消費者として成熟するにも、日本のニュースには様々な示唆が
あって勉強になります。

うぅむ、もっともっときっちりした示唆が増えるといいですね。

投稿: tak | 2007年6月30日 17:27

昨日、夜のNHKニュースをみたらマイ箸について特集がありました。
割り箸が高くつくとなると急速にマイ箸への動きが進むなんて
神様はよくしたものと思ってしまいました。

なんでも、経済発展で木材が不足しているうえ、中国でも割り箸の使用が
広がってきており、ここにきて中国産割り箸価格が高騰しているとか。

コストをおさえるためにプラスチック製に替えた居酒屋や、
マイ箸キープ制を導入して売上を大幅アップした居酒屋、
OLさんの間で洒落た携帯箸の専門店が人気を集めているなど
の紹介がありました。

マイ箸、キープ、居酒屋で検索すると、こんな記事もありました。
もうお読みになっているかもしれませんが・・・。
リンク、ご迷惑でしたら消去してくださいますよう。

「マイ箸」は店とお客との架け橋!?
http://www.nikkeibp.co.jp/news/life07q1/526002/

投稿: banan | 2007年7月 3日 18:01

banan さん:

おもしろい情報、ありがとうございます。

中国は値上げ圧力をかけているようですが、割り箸なんて、なくても困らないんだから、「だったら、いらないよ~ん」 で済むお話だと思っています。

いい機会かも。

投稿: tak | 2007年7月 3日 21:26

>だったら、いらないよ~ん」 で済むお話だと思っています。

ふふ、ほんとにほんとに!その通りですね。
お付き合いくださりありがとうございました。
ではでは。

投稿: banan | 2007年7月 5日 04:14

ええ、そんなわけで私もようやくマイ箸購入しました(遅)。

投稿: 山辺響 | 2007年8月 9日 17:41

山辺響 さん:

マイ箸デビュー、おめでとうございます。
末永く使ってくださいね。

投稿: tak | 2007年8月10日 11:22

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