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2007年7月 6日

日本人の寿命と 「がんの 2015年問題」

私と妻の遺伝子的共通点(と言っていいのかな?)は、どちらも母親の方が早く亡くなり、父親の方は元気で存命中ということだ。

というわけで、滅多に取り越し苦労をしない私だが、この問題ばかりは、自分の方が長生きして取り残されたりしたら嫌だなあなんて、ちょっと心配になったりしている。

で、先日妻に「俺たちって、どっちも男の方が長生きする血筋みたいだけど、あなたは、がんばって長生きしてよね」と頼んでみた。まあ、頼んでみたところで宿命はそんなに簡単に変わるわけではないのだろうが、それは人情というものである。

すると、妻は極めてノー天気に言い放った。

「あぁ、それなら大丈夫。私って、生命線がものすごく長いから」

どれどれと見せてもらうと、なるほど長い。掌の人差し指の下からぐんぐん伸びて、手首のあたり、脈を取るところの近くまでしっかりと刻まれている。なるほど、これなら大丈夫かもしれない。

私は手相に詳しいわけでもなんでもないけれど、少しだけ安心したような気持ちになったのである。これもまた、人情というものである。

しかし問題はそれからだ。それならばと、改めて自分の掌を眺めて、ひっくり返りそうになった。私の生命線は、長いどころではないのである。何だか知らないが、果てしないのである。

人差し指の下から大河の如く延々と伸びて、手首の当たりで親指の方向に向きを変え、さらに伸びている。あれあれと思いながら掌をひっくり返すと、親指の下を通って、手の甲まで伸び、薬指の下あたりまで続いている。

「おいおい、俺って、一体いつまで生きるんだ !?」

我ながら末恐ろしくなってしまったのである。そんなにまで長生きしなくてもいい。慎ましい私としては、現在の男の平均寿命ぐらいで十分だ。

しかし、いわゆる「平均寿命」というのは、生まれたばかりの赤ん坊があと何年生きられるかということらしく、もうすぐ 55歳の誕生日を迎えようというときに、病気らしい病気もなくぴんぴんしている私のような者は、もっと長生きする確率が高いらしい。

で、最近知った「がんの 2015年問題」というお話である。現在でも、統計で見ると「日本人の 2人に 1人ががんになり、3人に 1人ががんで亡くなる」というのは、まぎれもない事実らしい。そして日本人の高齢化に伴い、2015年には 「日本人の 3人に 2人ががんになり、2人に 1人ががんで亡くなる時代」 になるというのだ。

ふーん、最近出席したお葬式で、死因として聞かされたほとんどが「がん」ということなので、なるほどという気がするわけである。うちの母みたいに「自然に心臓が止まった」なんていうのは、滅多に聞かないし。

これはもう、「がんにでもならないと、なかなか死ねない」 時代が来るというふうに解釈した方がいいのではなかろうか。がんという病気がないと、日本は圧倒的に年寄りばかりの国になってしまう。下手すると、あまり長く生きすぎないために、がんが福音にならないとも限らない。

こうなったら、あまりがんを治す研究なんかしないで、がんになったらそれほど苦しまずに、さっさとあの世に行ける研究をしてもらう方がいいのかもしれない。

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コメント

はじめまして!毎日楽しく拝読しております。

きっとTakさんも奥様も長生きされると思いますよ。
ちょっと前にこんなニュースを見かけましたので。
(ニュースサイトを見つけられなかったので他人様のブログです)
http://mycasty.jp/kirik/html/2005-11/11-02-172822.html

ただし、
妻と死別後の夫の平均寿命は5年、
夫と死別後の妻の平均寿命は20年以上(!)
というデータもあるようですので、
老後はこれまで以上に奥様を大事になさって
お二人で長生きなさってくださいませ。

投稿: らぶ | 2007年7月 6日 21:24

らぶ さん:

ほほう!
「子の寿命は父親次第?」 ですか。知りませんでした。
(最後の 「?」 が気になりますが ^^;)

おもしろい情報、ありがとうございます。
とりあえず、ますます先が長そうな気がしてきました。

投稿: tak | 2007年7月 6日 21:48

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