トンデモ県会議員と庄内ナショナリズム
私の郷里である山形県の最近の話題といえば、村山隆 という県会議員である。
この人、飲酒運転で摘発され、議員辞職勧告決議まで採択されたのだが、頑として辞めないばかりか、厚顔無恥というか厚かましいというか(同じか)、堂々と本会議への出席を続けているらしい(参照)。
先日、母の納骨式で酒田に帰ったら、近所の人たちがしきりに憤慨しているので、何かと思ったら、この村山隆というトンデモ県会議員の話題だったのである。そのようなローカルなお話は、関東で暮らしている分にはさっぱり伝わってこないので、初めて聞いて、私としても呆れてしまった。
「でって、まず、つらつけね議員だのぅ」
(日本語訳: 本当にまったく、図々しい議員だねぇ)
「このしぇづだば、公務員だって酒酔て運転しぇば、辞めねばねでばのぅ」
(同: 近頃は、公務員だって酒に酔って運転したら辞めなければならないのにねぇ)
「あんだやろ、庄内選出でなぐていがったちゃ」
(あんな野郎、庄内の選出でなくて、よかったよ)
「おぅおぅ、あれだば、内陸だもの。庄内さだば、あんだ馬鹿だやろ、いねでば」
(おぅおぅ、あれは内陸だもの。庄内には、あんな馬鹿野郎はいないって)
とまあ、こんな調子で、口を極めて村山某を非難しつつ、一方で庄内ナショナリズムを謳歌する庄内人たちであった。山形県でも海に面した平野を中心とした庄内地方と、最上川流域の盆地に連なる内陸地方とは、気質がかなり違うのだ。
とにかく、この内陸選出の村山隆という議員、何を言われても意に介さず、本会議に出席し、堂々と質問したがり、マイペースそのもののようなのだ。このくらい図々しくなると、なかなか大したものである。以下、毎日新聞の記事からちょこっと引用。
(行財政改革・危機管理対策特別委員会の)委員会の席上で伊藤委員長は、改めて村山県議に退席を求めた。黙ったまま要請を拒んだ村山県議に、委員の鈴木正法県議が「特別委員会は安心安全について話し、交通安全も所管する。飲酒運転で摘発された人が審議に参加するのはいかがなものか」と発言した。その後、委員会は約10分間中断した。
委員会終了後、村山県議は「スピード違反をした委員は委員会に入れないのか」と、開き直りともとれる発言で不快感を表した。
何でも、議員というのは辞職勧告を受けても、辞職するしないは本人の決断に任せるしかないらしい。「あんた、クビ!」というわけにはいかないもののようなのだ。選んだのは住民なので、住民の方からリコールの動きが出ないことにはしょうがないというのである。
となると、恥ずかしいのは選んだ選挙区の住民である。それでもって、庄内ナショナリズムはますます高まる一方なのである。
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