コンサルタントはそんなに酷くはないが
「傍目八目 (おかめ -)」とは、囲碁を傍から見ると、八目先まで読めるということだ。往々にして、当事者という立場には、先が読めなくなるというハンデがつきもののようなのだ。
それ故に、客観的な立場にある外部のアドバイザーというのはとても重要になる。しかし、これが「コンサルタント」となるとどうか?
「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」というブログに、『コンサルタントの危ない流儀』という本について触れた、「そろそろコンサルタントについて一言いっておくか」 というとても興味深い記事がある。
紹介された本は「集金マシーンの赤裸々な内幕を語る」という副題が付いているぐらいだから、結構な内幕暴露本のようだが、上述の Dain さんによる紹介を読むと、なんとなく薄々感じていたことが、「やっぱりそうなんだよねぇ」と得心されるといった内容のようだ。
Dain さんは、「最初にハッキリ言っておく、コンサルタントは、こんなに酷くない」と言いつつ、「しかし、コンサルタントの手口は、著者の暴露するとおり」ともおっしゃるわけである。その気持ちもよくわかる。
そして、なおおもしろいことに、この記事には 「コンサルを使いこなせないのは大抵の場合は客の側に問題があります。自分にコンサルを使うスキルがないことすら知らないヤツは、コンサルに騙されて当然です」という、かなりワイルドなコメントまでついている。
私自身は、コンサルタントを使う経営者のメンタリティは、安易に子供を学習塾に通わせる親とほとんど変わらないと思っている。
本当に「デキる子」は、学習塾のメソッドよりもずっと自分に適した学習法をもっていて、「いい成績」をとっている。そして申し訳ない言い方だが、「デキない子」は、いくら学習塾に通っても、期待通りのはかばかしい成績は上げられない。それと同じことだ。優秀な経営者はコンサルタントの言うことを参考にしても、盲信はしない。
ただ、Dain さん同様、私としても 「コンサルタントは、こんなに酷くない」とは思っている。多くのコンサルタントの指摘することは、概ね妥当なことが多いからである。問題なのは、その指導が基本的には「学習塾メソッド」と大差ないことだ。
「こうすれば、業績が上がる」というメソッドは、その通りにやれば本当に有効なものであるだろうけれど、大抵は「その通り」に実行することがとても困難なことであり、それが実行できない場合は、クライアントの責任に帰されがちなのだ。
実際には、いくら傍から八目先まで「こうしろ」と言われても、当事者としては「うるせぇなあ」ぐらいにしか思えないことが多いのだ。現場の末端になるほど、その傾向は強い。
そしてまた、コンサルタント自身も「コンサルティングという仕事の当事者」であるため、さらに傍の立場にある者から「そんな言い方をしても、現場では通じないよ」と指摘されても、それを受け入れにくいだろうし。
そして多くの医者と同じで、コンサルタントも「セカンドオピニオン」なんてものはうっとうしく思うだろうし。さらにまた、クライアントにしても、ただでさえ高いコンサルタントを二人も雇おうなんて、そもそも思わないし。
なかなか難しいものである。そして、「コンサルタントはこんなに酷くない」というのは概ね事実だけれど、中には、「いくら権威あるメソッドとはいえ、そんなに強引な適用をしたら、絶対に失敗するだろう」と思われるようなことを平気でする人もいると、ちょっとだけ指摘しておきたい。
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