「違ぇよ!」 だけは許せん!
私は「若者言葉」と呼ばれるものには結構理解があるつもりなのだが、自分では決して使わないだろうという言い回しも少なくない。
その筆頭が「違げぇよ!」という言い方だ。試しにこのキーワードでググると、1860件もヒットする(参照)。しかし、こればかりは多分、一生使わないだろうと思う。
「違いがわかる」とか「違います」なら、「違げぇがわかる」「違げぇます」と音便化させるのにやぶさかではない。「おでぇかん様、そりゃ、違げぇますだ!」なら、全然許せる。
だが、「違げぇよ!」 は、どうしても日本語の法則からは発しないのである。「違う」 の [au] という二重母音は、[e:] とは音便化しないのだ。どうしても [o:] になるだろう。だから、関西弁の「違ごぅとる!」なら、全く問題ない。だが、何度も言うが、「違げぇよ!」は許せない。
もう一つ、「マジすか!?」は、他人が使う分には許せないわけじゃないが、自分では使わないだろうという言葉である。「マジかよ!?」は使う。さらに、「マジに」や「マジで」も使う。しかし「マジすか!?」は、生理的に合わない。
それから、「ウソォ!」という言葉も、かなり抵抗がある。驚くほど意外なことを知らされたときに、「本当!?」と言うことはある。しかし、「ウソォ!」とは、私は決して言わない。しかしこれは、既に 40歳ぐらいまでの世代には何の抵抗もないようである。
私は、この言い回しが世に出始めた頃(多分、25年か 30年ぐらい前だと思う)、これが単に「本当!?」の代用品であるとは気付いておらず、自分の言葉に「ウソォ!」なんて反応されると、マジに(ほら、使った)ムッと来ていた。
「ウソなんかじゃねぇよ! なんで、こんなことでウソなんか言わなきゃいけねぇんだよ!」 と、いちいち言い返していた。相手は、私がどうしてそんなにムキになったのかわからず、ぽかんとしていた。
今思うと、そこまで直に反応するのはちょっと野暮だったかもしれないが、今でも 「ウソォ!」と言われると、自分が嘘つき呼ばわりされてるみたいで、ちょっとむかつく。(どさくさ紛れだが、「むかつく」 は、よく使う)
"Very" の意味合いでの「メッチャ」はよく使う。「チョー」だって使わないわけじゃない。しかし、「ギザ」はさすがに使わない。
「違ぇよ!」 以外は、理屈じゃなくて、かなりの部分、生理的な理由からである。
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コメント
お邪魔します。がんなむぅです。
若者の一部の文化に、『相手を凌駕しながら話す』傾向があると思います。(大人も一緒かぁ…)
で、『その通りだね』というニュアンスを、「ちげぇねぇ!(江戸っ子気取りで、ね…)」と表現しています。(若手ミュージシャンあたりが発祥か?)
その表現をベースに、『違いない』から『ない』を欠落させて、『違います』にして、「ちげぇよ!」として使用していると推測致しますが…。
「ちげぇよ!」の正しい使い方って、この解釈で、合ってますぅ?
投稿: がんなむぅ | 2007年8月29日 22:09
がんなむぅ さん:
うぅむ …
これって、マジネタですか?
あっしゃあ、若ぇ奴らの口から 「ちげぇねぇ!」 なんて、聞いたことねぇんすがね ^^;)
投稿: tak | 2007年8月29日 22:57
元勤めていた会社で、若造君(当時20才)達の会話で確認しています。
アタクシに対しても、「ちげぇねぇっす!」ってやってましたんで…。
すみません。ドメスティックな裏付けで…。
投稿: がんなむぅ | 2007年8月29日 23:26
がんなむぅ さん:
>アタクシに対しても、「ちげぇねぇっす!」ってやってましたんで…。
へぇ、そうでやすかい!
そいつぁ、驚き桃の木山椒の木だ!
早速、ご隠居に知らせなきゃ。
(わたしゃ、熊さんか? ^^;)
投稿: tak | 2007年8月30日 00:44
がんなむぅ さん:
どえらく遅くなってからのレスで、失礼。
基本的に 「違えねえ」は肯定の反応 (「その通り!」 という意味) ですが、「違えよ」 は否定の反応ですので、意味が逆になります。
というわけで、同列に語ることはできませんね。
ということです。
投稿: tak | 2018年4月17日 14:07