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2007年8月22日

衣料品のホルムアルデヒド騒動

ニュージーランドのテレビ局の調査で、中国製衣料品に大量のホルムアルデヒドが含まれていたと報道された(参照)とたん、私の関係するアパレル関連団体には、不安を感じた消費者からの問い合わせが殺到している。

もっとも、「ウチの服は大丈夫?」 なんて聞かれても、実際には答えようがないのだが。

ホルムアルデヒドというのはシックハウス症候群の原因にもなり、多くの都市建築の内部なら(新築直後などはとくに)空気中に漂っていても不思議ではない化学物質である。また瞬間接着剤を使ったりしたら、周囲の空気は一時的にかなり高濃度になったりする。

衣料品では生地にハリをもたせたり、しわを防ぐ加工をしたり、つまり見かけをよくするためにホルムアルデヒドを使う場合が多く、また染料にも含まれることがあるので、大人の服は多少なりともホルムアルデヒドを含むことが多い。

しかし日本ではベビー服の場合、少しのホルマリンも検出されてはならないという規定があるので、ビニール袋に入れて販売している。そうしないと、近くに陳列してある大人用の衣類から空気を介してホルムアルデヒドを吸着し、「少しも検出されてはならない」という規定に違反してしまう懼れがあるのだ。

ただ、消費者がそれを購入して引っ越したばかりの新建材の家で袋から出したとたんに、多少のホルムアルデヒドを吸着してしまったり、大人の着ている服から移ったりする可能性があるので、要するに「売ってから先のことまでは責任もてん」という程度のことなのだが。

というわけで、ほんの少しのホルムアルデヒドなら、過敏な体質の人を別として、体調を崩すほどのことにはなりにくい。ただし、報道されたように「WHO 基準の 900倍に当たる濃度」となると、話は別だ。

何しろ、ホルムアルデヒドというのは、容易に他に移染してしまう(つまり、飛んでしまう)性質があるので、計測時点でそんなに高濃度だったら、出荷時点ではどんなにホルムアルデヒドまみれだったか、知れたものではない。

ちょっと見の見た目を取り繕うために、よっぽどメチャクチャ使い放題に使わないと、そんなに高濃度にはならないんじゃなかろうか。この目でみたわけじゃないから、よくわからんけど、中国の縫製工場の従業員、頭痛くなったり吐き気したりしないだろうか。

で、日本の消費者もかなり不安になっているわけだが、手持ちの、あるいはこれから買おうとする衣料品がホルムアルデヒドまみれかどうかは、ちょっと臭いをかいでみればわかるはずだ。

刺激臭があって、目や鼻の粘膜にしみたりしたら、ホルムアルデヒド濃度が高いおそれがある。そうでなくても、そうした製品は避けたほうがいい。

そして、刺激臭がなくても心配な場合は、着用前に水洗いすることをお薦めする(ドライクリーニング指定の場合を除く)。あくまでも一般論だが、ホルムアルデヒドは水に溶けやすいので、大部分を除去することが出来るはずだ。

もし水洗いしても刺激臭がとれないような場合は、他の原因が考えられる。そこから先は、私の手に負えない。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

お邪魔します。がんなむぅです。


過去に、マネキンさんのお勧めで、ジャケットをTシャツの上から羽織る試着をした後、首の周りが赤くなりました。

同様に、新品のTシャツは、洗濯しないで着用すると、モノによっては痒くなります。
takさんのご指摘の通り?

投稿: がんなむぅ | 2007年8月22日 02:29

がんなむぅ さん:

ホルムアルデヒドは、皮膚への刺激が強いので、敏感な人はかぶれますね。
(私は、アセモができやすくて、今年の夏は大変ですが、ホルムアルデヒドには鈍感なようです)

いずれにしても、肌に直接触れる下着やTシャツなどは、一度洗ってから着るのがいいと思います。(いろんな意味で)

投稿: tak | 2007年8月22日 10:33

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