「身体検査」 は、中高年の健康診断
遠藤農水相辞任に関連し、民主党の鳩山幹事長は、「身体検査をしたというのに、なぜこんなに……」と述べたという (参照)。
「身体検査」という言い方も笑わせちゃってくれるけれど、まあ、中年過ぎてからは会社の健康診断で、何もひっかからない人なんて珍しいというのに似ているんじゃあるまいか。
この 「身体検査」 という言葉、確実に今年の流行語大賞の候補になるだろう。政治の世界では、身辺にヤバイ要素がないか調べるなんていう意味で使われているとは、つい最近まで知らなかった。
こう言ってしまっては申し訳ないけれど、詳細な「身体検査」を実施したら、国会議員のお歴々の中で、何の問題もなくクリアできる人なんていないんじゃなかろうか? かく言う我々だって、違法行為をしたことなんてこれまでの人生で一度もないと、胸を張って言える人は極々少ないだろう。
ましてや、利権の渦巻く政治の世界だもの。そうしたどろどろしたものに、まったく巻き込まれていない人なんてあるまい。その中でも、健康診断に喩えて言えば、血圧や血糖値のあまり高すぎない人を選んで大臣に任命するんだろうが、精密検査をしてみたら、ガンが見つかったなんてことがあるわけだ。
昔なら、ある程度は「甲斐性」として目をつむってもらえた。というか、地元への利益誘導の源泉として、むしろ歓迎されてもいた。しかし、これだけの大衆社会、情報化社会になってしまうと、一地域への利益誘導は、全体への不利益誘導という構図が見え見えになるから、スキャンダル化しやすい。
中高年になると、健康診断をしても必ず何かひっかかるようなもので、政治家の「身体検査」でも問題のごく少ない人を選ぼうとしたら、自然、若手中心にならざるを得ないだろう。しかし、それだと経験不足が露呈するし、「お友達内閣」なんて悪口も言われる。
ならばというので、古狸を重用すれば、政治的な高血圧や痛風もちばっかりになる。一体どうすればいいんだ。
これでは大臣のなり手がないと言われるのも道理である。戦後ほとんどの期間を与党として君臨してきた事実上の独裁政権も、こんなふうに金属疲労を起こして、内部から崩れていくんだろうか。
民主党は「政官業癒着」の構造を、国政調査権を使って究明していく方針のようだが、これを本当にきちんとやったら(やれないだろうけど)、自民党は大変なことになる。さらに労働組合とのしがらみにまで拡大したら、民主党だっておかしくなる。
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