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2007年9月27日

福田新政権への期待と不安ですと?

今週初め、TBS ラジオのデイキャッチとかいう番組で、「福田新政権への期待と不安」 というテーマのもと、期待と不安のどっちが大きいかというようなアンケートをとったらしい。

こうした調査の常として、不安の方が大きいという声が過半数を占めたようだが、このアンケート、ちょっとナンセンスじゃないか?

今はどうだかしらないが、履歴書を書くとき、自分の長所と短所を自分で記入する欄が、昔はあったりした。これって、とても困る。長所を先に書いたら、短所は書けない。短所を先に書いたら、今度は長所が書けない。だって、長所と短所って自分のキャラの裏表でしかないから。

これと似たような意味合いで、「期待と不安とどちらが大きい?」なんて聞かれても、答えようがない。普通は、「期待が大きいと、不安も大きい」のである。「大船に乗ったつもり」にさせるような人材なんて、ほとんどいないのだから。

だから、こうした調査で「不安の方が大きい」と答えるタイプの人は、新首相が誰になっても、判で押した如くに「不安の方が大きい」と答える人なのである。権力に対してはシニカル以外の態度をしらないというか、天声人語タイプというか。

私なら、この新政権に関して言えば、「あまり大きな期待はしないから、不安もあまり大きくない」と答えるしかない。福田政権というのは、そういうタイプの政権なんだと思う。安倍政権の場合は、当初はとても理念的なことを高々と掲げて、ちょっとだけ期待を持たそうとしただけ、不安も結構大きく、結果的にその不安の方が的中したわけだが。

ただ、安倍内閣に対する不安が的中したといっても、だからといって、日本がガタガタになったわけじゃない。首相が心身症になって、突然ばっくれちゃうという前代未聞の事態になっても、日本ではクーデターが起こるでもなく、株価が乱高下するでもなく、突然他国から攻撃を受けちゃうというわけでもなく、何のことなく 2週間も、のほほんと過ごしてしまった。

そんな時代のことでもあるから、福田さんの 「不安を与えない代わりに、期待もさせない」 という手法の政治がちょうどぴったりなのかもしれない。

ところで、森田正光さんが昨日の朝のラジオでおもしろいことを言っていた。首相就任式の日の天気が、その首相の在任期間と大きな関係があるというのである。

例えば、戦後の代表的な長期政権を率いた佐藤栄作氏、中曽根康弘氏、小泉純一郎氏らの首相就任式当日はとても天気がよく、日照時間は 6時間以上あったのだそうだ。ところだ、短命政権だった羽田孜氏、細川護熙氏らの就任式当日は、天気が悪く、日照時間も 0時間とか、せいぜい 1時間とかだったというのだ。

とくに最近ではほぼ例外なく、天気のいい日に就任した首相は長期政権となり、天気の悪い日に就任した首相は短命に終わっているのである。へぇ、天気の神様に祝福された人は、長期政権を維持できるんだ。そんなこと、初めて知った。

で、ほぼ 1年前の安倍晋三さんの就任式は、台風の影響による土砂降りで、日照時間はゼロだった。あぁ、やっぱりね。そして、福田康夫新首相の場合は、昨日は結構天気がよかったのである。ということは、福田政権は案外長期政権になってしまうのか。

退屈な長期政権が続くと、麻生太郎さんにはちょっと気の毒かも。

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