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2007年9月21日

野球の本質はチマチマした勝負?

私は野球ファンじゃないので、あまり血湧き肉躍る思いはしないのだが、ここに来て、プロ野球のセ・リーグが大混戦の様相である。

ゲーム差 0.5 の中に上位 3チームがひしめく窮屈さだ。それにしても野球の勝負というのは、とても小さな差が最終的に雲泥の差になって現われるという特徴がある。

例えば現在のセ・リーグの順位表をみると、首位が勝率 .555 の阪神で、最下位が勝率 .409 のヤクルトである。つまり、阪神が首位だとはいっても、10回やって 6回は勝てないチームなのであり、一方、どんじりのヤクルトでも、10回やれば確実に 4回は勝つのだ。

それなのに、優勝すればビールをかけ合って大騒ぎになり、最下位になれば監督の責任問題にまで発展する。

これだけわずかな違いにしかならないのは、野球というのはほとんど毎日のように試合をしなければならないからである。

先発投手 6人のローテーションで回すとして、2人は勝てる確率の高い投手を擁していても、残り 4人のうち 2人が勝ったり負けたりで、あまり確実性のない投手、2人があまり勝てない投手だったら、やっぱり、チームの勝率というのは、よくて 5割を越す程度にしかならないのも道理である。

野球の試合が、1週間に  2回とか 3回とかしかなかったら、優勝チームの勝率というのは 7割とか 8割近くになるかもしれない。でも、そうなったら、ペナントレースはつまらなくなるだろう。

チームだけでなく、個人成績でも、10回打って 3回ヒットになれば一流といわれ、2回しかヒットがなければダメ扱いにされる。さらに、100回打って 30回ヒットになるのと、29回しかヒットにならないのとでは、たった 1本の違いなのに、3割打者かそうでないかで、扱いが全然違う。

こうしてみると、野球というのはシーズンを通してみると、ちょっとした数字を効率よく稼ぐために汲々として戦略を立てるスポーツなのだとわかる。

20日現在の成績表をみると、首位の阪神なんかは、総得点が 485点で、総失点が  504点と、取られた点の方が多い。不思議な首位チームである。勝つときは僅差で勝ち、負けるときは大負けしているということだ。だが、戦略的にはそれで正解なのである。

一方、巨人なんかは総得点が 566点とダントツで、総失点の  508点を大幅に上回っているのに、圧倒的に首位を走るというわけにはいかなくて、3位に甘んじている。つまり、戦略が下手なのである。大差で勝ちながら、僅差で負けているのだから。

昨日までの巨人・阪神の 3連戦でも、巨人は 1点差で 2敗し、10点差で 1勝している。あまり利口なやり方とは思われない。勝つにも負けるにも、とてもエネルギーを消耗しているのである。ほぼ勝てると見極めがついたら、余計な点なんか取らずに、さっさと帰って寝ればいいのに。

こうしてみると、こんなにチマチマした勝負を展開するのだから、セ・パ 6チームずつというのでは、スケールが小さすぎる。よくまあ、こんな小さな規模でこんなチマチマした勝負をするのを、そんなに興奮してみていられるものである。

やっぱりアメリカの メイジャーリーグのせめて半分ぐらいの規模がないと、本当にシンパシーをもって付き合う気にはなれないんじゃなかろうかと思ってしまうのである。

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