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2007年10月27日

「駅前留学」の幻想

英会話の NOVA が、ついに会社更生法適用を申請した。要するに倒産である。

私は前から NOVA は「英会話」という名の粗悪品を売りまくる会社だと思っていたので、潰れるのもしょうがないという気がしている。少なくとも「駅前留学」というキャッチコピーは、「よく言うよ!」のレベルだし。

私は以前、外資系の団体に勤めていたことがあって、そこを辞めてからも、せっかく身につけた英語力を錆び付かせるのはもったいない気がして、英語に触れる機会を維持するために、街の英会話スクールにでも通おうかと思った時期がある。

で、私の利用する常磐線沿線のいくつかの英会話スクールに当たってみた。

英会話スクールというのは、契約の前に講師とインタビュー(面接)をして、どのレベルのクラスに入ればいいかを見極めてもらうのが通例のようなのだ。私は 2校ほどインタビューしてもらったのだが、向こうから丁重にお断りされてしまった。

自慢するわけじゃないのだが、「あなたの英会話力は高すぎて、当校には、あなたのレベルに見合うクラスがありません」ということだったのである。それでもせっかくだから、そのスクールの最も高いレベルの授業というのを見学させてもらったのだが、正直なところ「なるほど、これじゃ、馬鹿馬鹿しいわい」 と思ってしまった。

まともな英会話のレッスンをするというよりは、授業時間の半分以上は、グループ・レッスンを受ける生徒がつっかえつっかえでようやくしゃべる怪しげな英語を聞かされて、イライラするだけである。はっきり言って、個人レッスンでなきゃ意味がないなと思った。(でも、それじゃ高いしね)

で、最後に NOVA に行ってみたのである。NOVA なら一応最大手だし、レベルの高いクラスがあるかもしれないと思ったのだ。

ところが、とんでもなかったのである。他の英会話スクールは、とりあえずこちらのレベルを見極めるためにインタビューをするのだが、NOVA の場合は、そんなことよりもまず契約させようとする。

そして、その授業料が高いのである。少なくとも、私がインタビューしてもらった 2校と比較して、2割ぐらいは高いんじゃないかという印象だった。その時は、かの有名な回数券なんていう話は全然出なかったし。(まだそのシステムがなかったのかな?)

「契約の前に、レッスンを見学させてもらいたい」と要求すると、「今の時間は初級者クラスしかやってない」などと言って、なんとなく見せたくなさそうなそぶりである。てことは、私の通える時間には私のレベルに見合うレッスンがないのに、とりあえず契約だけはさせようとしていたのである。そりゃないだろうよ。

というわけで、私の NOVA に対する印象は決定づけられてしまったのである。

まあ、NOVA に通ったおかげで、海外旅行をしたときに入国審査や通関、レストラン、買い物などで、多少は話が通じたという経験をした人があるかもしれないが、その程度は、あんな高い授業料を払わなくても身に付くものである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

英会話学校って、メチャメチャみたいです。

ハーフで、アメリカンスクール出身の私の知人が、NOVA の講師としての面接を受けたら「貴方の容貌は日本人的すぎる」との理由でダメだったそうです。
どういう発想か、わかりますよね。

「家庭教師のトライ」という会社も英語の個人レッスンを売っていますが、ここで英語を教えはじめた知人によると、個人レッスンには、その生徒に合ったテイラーメイドの教育プランが無いと教えることができないはずなのに、その担当の educational planner なる人物(実在するかどうか?)といつまでたってもコンタクトできないで困っているとのこと。

インチキでもできる業界のようですから、私も起業しようかな?

投稿: alex99 | 2007年10月28日 01:17

alex さん:

>ハーフで、アメリカンスクール出身の私の知人が、NOVA の講師としての面接を受けたら「貴方の容貌は日本人的すぎる」との理由でダメだったそうです。

多少おばかでも、青い目の金髪の方がいいんでしょうね。
そういえば、黒人、アジア人の講師というのは、ほとんどいないと思います。

それから、先日のニュースで NOVA の講師は、オーストラリア人、英国人、カナダ人が多いと聞きました。オーストラリア人の先生、「グッダイ!」 なんて教えないだろうなあ ^^;)

前にどこかで書いた覚えがありますが、以前、オーストラリア人に、「日曜日にレンタカーを借りたい」 と相談されて、一瞬ながら、「3台も必要なの?」 と思ってしまったことがあります。

"Sunday" = 「サンダイ」 だったもので ^^;)

投稿: tak | 2007年10月28日 11:56

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