« 選挙の馬鹿馬鹿しさの根源は公選法 | トップページ | ビニールも塩ビもビニールのうち »

2007年10月 3日

"Baby in Car" を巡る冒険

車のバックウィンドウに、よく "BABY IN CAR" というステッカーが貼られていたりする。「赤ちゃんが乗ってるから、気を付けてね」ということなのだろうが、英語としてちょっとね。

英米では "Baby On Board" というのが一般的なのだそうだ。なるほど、これなら 「車内に赤ちゃんがいるよ」 ということになる。

Babyincar

Wikipedia によると、この Baby On Board ステッカーは、1984年に英国の セイフティ・ファースト社が売り出したのが元祖だそうで、米国にまで渡ってずいぶん流行したもののようだ。ところが、米国では 1985年以後、急速に廃れてしまったらしい。

その廃れた原因というのが、イミテーションの氾濫というのがおもしろい。Wikipedia では、"Baby I'm Bored" (ベイビー、俺、退屈しちゃった), "Pit Bull on Board" (とっても意訳だけど 「猛犬注意」), "Mother-In-Law in Trunk" (トランクの中に義母がいるよ) などの例が紹介されている。最後のは穏やかじゃない。

で、英国にも "Princess on Board" (王女が乗ってます) とか "Little Person on Board" (小さな人が乗ってます) などのバリエーションがあるという。前者はプリンセス・ダイアナを想起させて、かえって危ないような気がするが。

この言葉が一躍有名になったのは、テレビアニメのシンプソンズで "Baby On Board" という歌が流行ったからとも解説されているが、私はその歌を聞いたことがない。それから、このステッカーは、死んだ赤ん坊を悲しむあまりに作られたという都市伝説まであるらしい。ふ~ん、ずいぶん奥が深いのね。

で、まあ、"Baby in Car" は、Engrish の類であることが判明したわけだが、日本では  "Baby On Board" と表示してもあまりぴんと来なかったりすることがあるだろうから、私は "Baby in Car" でも、この際、許す。

Download

でも、許すとか許さないとかいう以前に、「???」 になってしまったのが、上野駅構内にある某定食屋の壁に書かれている "How many foods did you eat today?" というものである。

「あなたは今日、いくつの食物を食べましたか?」 … うぅむ、一体、これは、何と答えたらいいんだ。「食物」 って、一体、どうやって数えるんだ? 「どんだけ食べたの?」 ということなら、普通は "How much....." になるのだろうけど。

さんざん悩んだ挙げ句、もしかして 「何回食事をとりましたか?」 というつもりなのかなあと思い当たった。それなら、"How many times did you have meals today?" だろうけどなあ。結局、何を聞かれてるんだか、よくわからん。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

|

« 選挙の馬鹿馬鹿しさの根源は公選法 | トップページ | ビニールも塩ビもビニールのうち »

言葉」カテゴリの記事

コメント

船でも航空機でも on board ですね。
搭乗する・・・が近いかな?

船の時代に甲板に上がるということから、この表現が生まれたのではないでしょうか?


"How many foods did you eat today?"
一日に30種以上の食品を摂取すべしという説があります。(私など3種で済ますこともあり)(泣)
実際は関係ないでしょうし、英語表現もおかしいでしょうけれどね。

投稿: alex99 | 2007年10月 3日 02:00

alex さん:

>船の時代に甲板に上がるということから、この表現が生まれたのではないでしょうか?

私もそのように想像してます。

>一日に30種以上の食品を摂取すべしという説があります。

品目を聞かれてるんですかねぇ?
ははぁ!

でも、ちょっとね。
How many sorts of food....
とかにしてくれれば、明確にそうわかると思うんですけど。

投稿: tak | 2007年10月 3日 07:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: "Baby in Car" を巡る冒険:

« 選挙の馬鹿馬鹿しさの根源は公選法 | トップページ | ビニールも塩ビもビニールのうち »