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2007年10月 4日

ビニールも塩ビもビニールのうち

シャネルの 「ネイキッド・バッグ」 なるものが、一部で熱烈に話題になっている。なんでもテロ対策で最近とみに厳しくなった空港の手荷物検査に対応し、中身が見えるスケスケのビニール素材にしたんだそうだ。

素材はビニールとはいえ、値段はシャネルらしく、12万円というのが笑える。

「テロ対策で厳しくなった空港の手荷物検査云々」 というのは、当然にも、取って付けたようなジョークのようなものなんだろうなあ。だって、それだったら、飛行機に乗るわけでもないのに、その辺にお出かけするときに持つ意味がないから。

要するに、単に「見せたがり」なのである。おへそだろうがブラのひもだろうが胸の谷間だろうが、バッグの中身だろうが、「見たきゃ、見れば?」ってなものである。で、意識して見せているくせに、露骨に見られると不愉快そうに睨み返す。

このあたりが、今をときめく 「女王様メンタリティ」 における基本の基本である。

ネットの世界での反応をみると、「だって、それって要するにビニール・バッグでしょ?」という疑問というか、冷笑というか、そんなトーンが多い。確かに、海水浴に持っていく 500~600円ぐらいのビニール・バッグと比べたら、そりゃあちょっとは細部に金をかけて、オシャレな作りになってるんだろうが、それにしても 12万円とはね。

で、この 要するにビニール・バッグでしょ?」という反応だが、私としては、同じことをあのルイ・ヴィトンのバッグにも言ってみたい気がするのである。だって、あれって要するに 「塩ビ」 でしょ。

塩ビ、塩化ビニール、PVC、ポリ塩化ビニル …… どう言い換えようと、塩ビは塩ビ。どんなものかは、Wikipedia でどうぞ(参照)。「スモモもモモも桃のうち」 というが、塩ビもビニールもビニールのうちである。(組成的には別物だけどね)

塩ビのバッグが 30万円とか 40万円とかするなら、ビニール・バッグが 12万円でも、まんざらおかしくないかもしれない。でも、実際に市場で売れているのは、せいぜい 5000円ぐらいの安物コピーらしい。「安物」とはいえ、利益率から言ってもかなりおいしいと思うけど。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

お久しぶりです。っていつも読んでますけど。

シャネルのビニールバッグはそのへんのビニールバッグとはモノが違いますよ。厳選された素材を使って製法にこだわっているので、30年使い続けても透明度がまったく落ちないそうです。たぶんこの手のものを買う人は3年も使い続けないでしょうから、検証不能ですが。

お高いビニール製のバッグといえば、ブランドものにほとんど縁のない私ですが、バブルの頃に知人が勤めていた関係でハンティングワールドのバッグを買いました(10万円くらい)。あれも素材はビニールのはずですが、ライオンに引っ掻かれても破れないそうです。動物園に行くときは念のためこのバッグにしようと思っています。

投稿: 山辺響 | 2007年10月 4日 10:34

山辺響 さん:

お久しぶりです。

>30年使い続けても透明度がまったく落ちないそうです。

うぅむ、30年経ってから信じることにしましょう ^^;)

>動物園に行くときは念のためこのバッグにしようと思っています。

試しに、引っ掻かせてみてはいかがでしょう?
(いやいや、冗談です。決してトライしないでください ^^;)

ところで、こう言ってはなんですが、ハンティングワールドは、マーケティングがお下手というか、過度にセレブっぽくないというか、そんな気がして、私は逆に好感を持ってます。

投稿: tak | 2007年10月 4日 15:14

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