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2007年11月22日

「お友達と同じ服が欲しいの」 という女性

洋服の売り場とかブティックに、「お友達の着てるのをみて、あんまり素敵だから同じものが欲しくて」と、品番指定で買いに来る女性というのが少なからずいる。

中には、わざわざ自分でアパレル・メーカーに在庫確認の電話をしてくる女性までいる。それはそれは、大した執念なのである。

私ならそんなことは夢にも思わないが、世の中には「お友達と同じ服が欲しい」と、本気で思ってしまう女性というのが、少なくないようなのである。

そういう女性は、「まぁ、その服、素敵! どこで買ったの? いくらしたの?」と聞きまくり、果ては洋服の裏側に縫い込まれたケアラベルまで点検して、メーカーと品番までメモしてしまうようなのだ。

これって、私には本当に信じられない行為である。その理由を以下に挙げてみよう。

  • まず第一に、友達と同じ服を着るということを、ちょっと恥ずかしいと思わないのだろうか?

  • さらに、友達には似合っても、自分には似合わないということもあるということを、想定しないのだろうか?

  • そしてまた、自分は友達と同じ服を着ることに抵抗がなくても、その友達の方が、同じ服を着られることに抵抗があるかもしれないということを、想定しないのだろうか?

一番問題なのは、友達というのが、「知人に同じ服を着られることに抵抗があるけれど、頼まれたら断り切れない性格」だったりする場合である。

「まぁ、その服、素敵ね!」 と言われるのは何の問題もない。しかし同じ服を買うためにケアラベルに印字された品番まで控えさせてと頼まれたら、心中おだやかではないだろう。放っておいたら、自分と同じ服を着て嬉々として街を行く女性が、身近に存在するということになってしまう。それって、普通やだよね。

定番的なブレザーとかセーターとかならまだ抵抗はないが、そんな品物ならわざわざ品番まで聞かなくても、普通に探せばすぐに見つかる。ちょっと変わったデザインだから、問題なのである。

だから、本当はどこで買ったかとか、ましてやメーカーや品番なんてことまでは教えたくないのだが、そんなことを言い出す女性というのは、基本的に図々しいから、断ったらどんなしっぺ返しがあるかしれない。

聞かれた方は、実はいやいやながらだが、表面上は喜んで、品番をメモさせてあげ、買った店まで教えてあげる。そして次の瞬間、店、果てはメーカーの在庫まで切れてしまっていることを、密かに、しかし強烈に祈るだろう。

そして幸か不幸か、同じ服の在庫があり、友人が嬉々としてそれを買い求め、その日のうちから、それを着て外出するようになってしまったら、悲劇である。いやいやながら教えてあげた女性は、先に買ったお気に入りの洋服を、もはや身につける気がしなくなってしまうだろう。気の毒に。

というわけで、私は「お友達と同じ服が欲しくて」なんてノー天気なことを言い出すタイプの女性とは、あまりお近づきになりたくないと思う。こうした類の女性にとって大事なのは「自分の都合」だけで、「相手の都合」なんてことは、どうでもいいようなのである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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