小沢さん、またやっちゃったね
昨日とは別の視点から、今回の 「大連立」 騒動を解釈してみる。「小沢一郎論」という視点での解釈で、要するに「あぁ、小沢さん、またやっちゃったね」ということなのだが。
これ、昨年 4月に彼が民主党代表に就任した際の「小沢一郎って、本当に大物?」という記事で、基本的には書き尽くしている。
この人、影で隠然たる力をふるうタイプで、昔から表舞台に立たせてしまうとろくなことがない。ちょっと権力欲をくすぐって揺さぶりをかけるだけで、すぐに自爆する。すぐに自爆するとわかっている人を自爆させるために揺さぶりをかけるのは、案外簡単なことなのだ。
私は昨年 4月の記事で、次のように書いた。
(小沢氏は)実は「大物」なんかじゃなく、田中派から竹下派に続く歴史の中で、じいさんたちに可愛がられて、楽屋裏の重要ポストをあてがわれ、背後のじいさんたち(とくに金丸さん)の威光で、強引に物事を進めた経験があるというだけのことなんじゃあるまいか。
あの頃の世の中は政治の世界に限らず、実力者といわれるじいさんのお気に入りになれば、大抵のことはできたのである。「お前の好きなようにやってみな。何かあったら、わしが出てって口きいてやるから」 ってなもんだ。
こうした構造があって、周囲としても、下手に逆らうとややこしいじいさんが出てきてやっかいなことになるとわかっているから、逆らわなかったのである。
つまり、小沢さんは天然記念物みたいな、最も古いタイプの政治家なのだと思う。そして「ややこしいじいさん」たちがほとんどあの世に行ってしまった今、彼の手法は通用しないのだ。決定的なのは、コミュニケーション能力の欠如である。
今月 3日付の、日本シリーズでの例の投手交代を論じた記事に、ammnant さんという方から、「今お騒がせ中の小沢さんの喋り方見てると、岩手と秋田出身だからか、落合監督の喋りと似てるな〜って思うことがあります」というコメントがついた。言われてみると、確かにそんな気がする。
ご両人とも北東北の出自ということのほかに、エロキューション(話術、雄弁術)に信頼をおいていない(要するに、口べたということに開き直っている)というキャラが、強烈に似ているのかもしれない。
しかし、野球の世界では口べたでも結果さえ残せばある程度認められるだろうが、政治の世界でエロキューションがないというのは、実は致命傷なのだ。小沢さんの一番よかった頃までは、どういうわけかこの国では、それでもっていたのだが。
で、またちょっと視点を変えてしまうのだが、民主党の直対応にも困ったものだという気がするのである。町村信孝官房長官が記者団に対して「ずいぶん早く(民主党は拒否を)決めましたね」と語ったのは、実は痛烈な皮肉である。
かなり前からわかっていたことだけれど、民主党にはいい意味での「タヌキ親父」がいないのだ。
今回の件に関しても、小沢氏が持ち帰った「大連立」提案に対して、「どうしたものか」「国民の信も問わなければ」などと、どうでもいいことを呟きながら、いかにも困ったように、あるいは義憤にかられたようにのらりくらりしていれば、「悪者は、密室でとんでもない話をもちかけた福田首相」ということにしてしまえたかもしれないのに。
今回の騒動は小沢氏の自爆であると同時に、民主党の自爆でもある。
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