何もしないのは、失敗するよりまずい
一部では 「小沢を手玉に取った福田総理はスゴイ」というトーンで語られている(こちらとか)が、果たしてそうなのかなあ。
結果論で言えば、今回の騒動はいまだに密室のやり取りで進む政治の世界のいやらしさを浮き彫りにしただけで、福田さんの影なんて、むしろ薄くなっちゃってる。
民主党は確かにガタガタになったけれど、広告効果で言えばかなりの得もしている。この何日も、政権党の何倍もの量の活字になったのだから。スキャンダルを糧としてのし上がるタレントもいるのだもの、長い目で見ればプラスに働かないとも限らない。
それに、例の「大連立」のオファーを脊髄反射的にぶち壊しちゃったせいで、びっくりするほどの大騒動になった民主党としても、多少は感じるところがあっただろう。もう少ししたたかに、のらりくらりして見せる必要も学んだんじゃあるまいか。
少しも学ばず、まだがたがた言っている旧社会党系は仕方ないけど。
どうも、読売系のフライングを起点として、いろいろな裏の事情が垣間見えてきたような気がする。プロ野球の 1リーグ制推進と同じレベルで政治を考えているみたいなじいさんとか、最近は言うこと為すこと、ことごとく的外ればかりになってしまっている大勲位とか。
で、どうも福田さんという総理大臣は、今回の一連の騒動の中では、あまり主導的な役割を果たしていないんじゃあるまいかという気がする。実際、あれからずっと黙りこくったままだし。根は案外おしゃべりなのに。
大きな得点もしない代わりに失点もない人と言われているが、確かに今回の騒動でも、福田さん自身は目立って得点も失点もしていない。しかし何にもしないということは、立ち止まっているよりももっとまずいということになるようなのだ。今の時代は。
結局、政治に対する不信は、野党よりも与党の方に、静かにではあるが、より大きく跳ね返ることになるだろうからね。
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コメント
確かに「広告効果」はあったでしょうね。
それと、首相のほうは、ただのナベツネの子分だったのかよみたいな感じですね。
しかし、今後の民主党はどうなのでしょう。
与党案に野党案をぶつけて、衆参両院で別々に可決し、結果として何も決まらないというようなやり方は、そういつまでも続けられないのではと思います。
民主党は自党案の優位をアピールし、ついでに政権担当能力を示したいということなのでしょうが、法案の細かな違いなど、一般にはあまり理解されにくいものでしょう。
手詰まり感が続くと、結局は鳴り物入りの「対案」路線も、かつての社会党の「何でも反対」主義とたいして変わらないじゃないの、という批判がじわじわ出てくるのでは、という気がします。
投稿: かつ | 2007年11月 8日 20:20
かつ さん:
これからは 「対話協調路線」 ということで、実質的には 「大連立」 とそれほど変わらないことになりそう。
だったら、民主党としては、「大連立」 しておいて、閣僚ポストを少し取ってきた方が得だったということにもなりかねませんね。
「政権担当能力のない民主党」 の脊髄反射的な 「大連立否定」 が、あとで悔やまれたりして。
投稿: tak | 2007年11月 9日 06:28