密室の風通しをよくしようってわけね
福田首相が 8日付のメールマガジンで、「建前抜きで本音の話し合いを行う場があってもいい」と、例の「党首会談」というスタイルを積極的に評価しているそうだ (参照)。
ああ、つまり、国会での論戦は「建前ばかりで本音で語られないから、不毛だ」と首相自ら認めちゃったわけなのだね。
国会論戦が建前ばかりでかったるいのは、ちょっと国会中継をながめれば誰でもわかることだけれど、改めて首相の口からそれを言われると、「おやおや」と思ってしまう。
これまでは「本音の話し合い」なんていうのは、そんなに公言しないものだった。それが前提だった。そして国会の表舞台と密室の裏舞台が、自然にリンクして、それなりにうまく機能していたのだった。
しかし、こうした「密室政治」がもう成立しない状況になってしまったのだ。今回の「大連立」問題にしても、裏舞台の登場人物があっという間にわかってしまった。福田さんも小沢さんも、むしろ「乗せられただけ」という図式が、簡単に暴露されてしまった。
ならば、これまで密室だったもののの扉をちょっとだけ開けて、公開性を高めてしまっちゃどうだというのが、福田さんの言ってることなんじゃあるまいか。それによって、ややこしいじじいたちが陰に回って余計なことをする舞台を、少しは縮小しちゃおうと。
福田さんの言うことを、それこそ「建前論」の耳で聞くと、「国会の場で本音の論戦をするのが、民主主義というものではないか」ということになるが、現実論としては、「密室の風通しをよくしましょう」ということで、半歩前進みたいなことになるのだろう。
つまり今回の「大連立」のプロセスには、首相の本音としても、ちょっとだけむっとした部分もあるんじゃなかろうかということだ。
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