暑がりと寒がり
オッサンは暑がりで、若い女性は寒がりというイメージがある。夏のオフィスで、脂ぎったオッサンが、ワイシャツを汗でぐっしょり濡らしながら、冷房を「強」にすると、OL は青ざめてカーディガンを羽織り、膝掛けをたぐり寄せる。
電車の「弱冷房車」も、圧倒的に女性の乗客が多い。
私は最近、かなりダイエットに気を付けないとウェストサイズがすぐに大きくなってしまうのだが、決して「脂ぎった」オッサンというわけではないと自分では信じている。それでも電車の中では、「もしかして、俺ってかなり暑がり?」なんて思ってしまう。
近頃ようやく秋が深まってきた。私も、11月になってから、やっと春夏物の一重仕立てのジャケットから、総裏仕立ての秋冬物ジャケットにチェンジした。10月一杯は、秋冬物のジャケットなんて、着る気になれなかった。
何しろこの地球温暖化である。11月の声を聞くまでは、秋の格好で街を歩いたりすると、すぐに汗をかく。電車に乗れば暑苦しい。ましてや、コートを着るなんてとんでもない。
ところが、先週の土曜日は何となく冷え込んだような気がしたので、この秋初めてコートを着込んで外出した。ところが、すぐにそれは失敗だったと気付いた。肌寒さを感じたのは、朝のうちだけで、その朝のうちでも、電車に乗ると暑すぎる。
なまじちょっと冷え込んだものだから、電車内は早くも暖房が入っている。そのうえ、私の乗った京王線は東京競馬と東京ヴェルディのサッカーの試合があって、かなり混み合っている。こんなに混んだ車内で暖房を効かせるのは、ちょっとした暴力だ。
窓は水滴で曇っていて、外の景色なんて見えない。周囲を見回すと皆、額と鼻の頭に玉の汗をかいて、じっと耐えている。あぁ、ついに極端な冷房で凍える夏が遠ざかり、むっとするような暖房で大汗をかく冬が来つつあるのだと実感した。まったく、電車のエアコンはパラドックスの極みである。
一泊して日曜日に帰宅するときには、電車はそれほどの混雑ではなかった。それでもうっすらと暖房が入っていて、ちっとも寒くないから、コートは脱いで手に持っていた。結局、二日間で実際にコートを着たのは、初日の朝、駅までの道を歩くときだけで、後はずっと手に持って歩くだけだった。
ところが帰りの電車の中で見回すと、周囲の女性はほとんどマフラーを巻き、ウールやダウンのコートを着ている。よく暑くないもんである。私が暑がりなのか、周囲の女性が寒がりなのか。
実際問題として、私は別にそんなに極端な暑がりというわけじゃない。周りには、私がうっとうしくなるぐらいの暑がりのオッサンがいくらでもいる。それでも、私は電車で乗り合わせた女性たちのような厚着はできない。
などと思っていると、途中駅から女子高生の一団が乗ってきた。日曜だというのに皆制服を着ている。何か学校の行事でもあったんだろうか。
彼女らは制服のブレザーの下にテキトーなシャツとベストを着ているだけで、スカートは最近の女子高生にありがちな超ミニである。股下 3センチぐらいといっても大袈裟じゃない。それに当然のごとく「生足」である。ほとんど風呂上がりみたいなものである。
周囲のマフラーを巻いてコートを着た女性たちと同じ種族とは、到底思われない。そして彼女らは、真冬になってもこのまま超ミニに生足なのである。なんともはや、我慢強いことである。
女性というのは、高校を卒業すると急に寒がりになるのだろうか。それとも、高校時代のあんな格好がたたって、年若くして冷え性体質になってしまうのだろうか。それとも、単に暑さ寒さを我慢してでも、ファッション雑誌と同じ格好がしたいのか。
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コメント
電車通勤です。
takさんおっしゃるとおり、コートとマフラーお嬢さんと、元気なおみ足の女子高生のハザマで、ハンケチで汗をぬぐっています。
アタクシも、もう立派なオッチャンです。
先週の車内で、男性でダウンジャケットみたいなモコモコのやつを『涼しい顔して』羽織ってらっしゃる方を見かけました。
当然、こっちはハンケチが手放せません。
投稿: オッチャン | 2007年11月12日 12:32
オッチャン :
おぉ、やっぱり私だけじゃありませんね。
(なんとなく、安心)
それにしても、おしゃれのためには、汗もかかなくなるという順応性には、驚嘆します。
投稿: tak | 2007年11月12日 16:48