西友とウォルマート
米国のウォルマートが、西友を完全子会社化して、経営再建するんだそうだ。ふぅん、無理だと思うがなあ。
西友というのは、郊外の駅前のそれほど大きくもない店舗で、ちまちまっとした日用品を売るという業態だ。どでかい店舗のウォルマートとは、コンセプトが違いすぎる。
私はウォルマートみたいなお店は、決して嫌いじゃない。日本で言えば、スーパーマーケットとホームセンターとしまむらが、でっかい規模で合体しちゃったようなイメージで、とにかく安い値段で何でもある。高級品はないが、決して粗悪品というわけじゃない。
お店のサービスだって、決して悪くない。サービスカウンターに行けば、うっとうしそうな顔もせずに、結構いろいろな希望を聞いてくれる。これって、米国のサービス業の中ではなかなかイケてる部類である。
しかしこれは米国の郊外の、だだっ広い土地に千台以上も停まれる駐車場を用意して、体育館の何十倍もありそうな店舗を建てるというビジネスモデルで可能になることだ。お客は車で乗り付けて、リヤカーみたいなショッピングカート一杯の買い物をする。
徒歩かママチャリでやってきて、せいぜいレジ袋 2つぐらいの買い物をして帰るという西友のお客とは、全然違う。こんなちまちましたマーケットに、メガストアのコンセプトで対応してもうまくいくわけがない。
ウォルマートが本国のビジネスモデルをそのまま適用して日本でも成功するためには、車で来るしかないようなど田舎に、でっかい店舗をつくらなければならない。ということは、既存の西友店舗という資産は役に立たないことになる。
そして郊外にでっかい店舗をつくろうとすると、そんなところには大抵、既にジャスコのでっかい店が建ってしまっている。
ジャスコに対抗するためには、値段を安くしてやたらと効率のいい店作りをしなければならないだろうが、そうすると、とってもがさつなイメージになるだろう。そして、日本でそうした店作りをすると、一時のダイエーとか、カルフールのように、お客に支持されないのだ。
ウォルマート的なお店が嫌いじゃない私でも、実際問題として、一度買い物したら、それから 3ヶ月は行かなくてもいい気がするだろうと思う。
さらに一番心配なのは、西友の従業員のモチベーション低下である。これまでの企業文化みたいなものを全否定されて、わけのわからん米国流を押しつけられたら、やる気なくすだろう。パートのおばちゃんなんか、とくにそんなところがある。店の雰囲気が暗くかったるくなるのは確実だ。
ということは、ウォルマートが日本で成功するのは、なかなか大変なことだと思われる。日本における「格差社会」がもっともっと進行してしまってからなら、やりようもあるかもしれないけれど。
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コメント
結局こういうとき、派遣されてくるウォルマートのトップの質次第だと思います。
優秀な人だと西友文化のいいところは残して効率化して、そこで学んだことをアメリカにも還元するってことになりますよね。
うまくディマンド・アーティキュレーションができればいいんですけどね。(使い方あってるでしょうか?)
投稿: fb | 2007年11月 7日 11:27
fb さん:
効率化だけ図って、結局スポイルして終わりということにならなきゃいいんですけどね。
>うまくディマンド・アーティキュレーションができればいいんですけどね。
むふふ。
投稿: tak | 2007年11月 7日 12:44
近所の西友でもウォルマートの傘下に入ってからガラッと雰囲気が変わりました。商品の棚が2mくらいの高さがあり商品がびっしりと並べられています。最初は戸惑いましたが、今では品数の多さが気に入ってます。が、しかしです、客がなんとかいるのは一階の食品売り場だけで、上階の衣料品、日用品売り場、家電売り場は悲惨です。日本人にはあの倉庫のような雰囲気はだめなんでしょうか。いつ閉店してしまわないかひやひやしてます。200m離れたあの落ち目のN屋にも負けています。日本人にとって買い物は“楽しむ”もののようです。
投稿: 偽浜っ子 | 2007年11月10日 02:32
偽浜っ子 さん:
西友は、元々は、ちょっとだけ洒落た身近なお店というウリだったんだと思うんですよね。
ちまちましたホームセンターになっては、中途半端ですね。
投稿: tak | 2007年11月10日 08:34