厨房のゴキブリ
「ケンタッキー・フライド・ゴキブリ騒動」の高校生が、通っていた都内の某有名私大付属高校を、「社会的責任を感じた」と自主退学しちゃったそうだ。(参照)
てことは、もう彼は「高校生」じゃなくなったわけだ。余計なことを mixi なんかに書いたせいで、人生狂っちゃったようだ。
私がここで「余計なこと」と言ったのは、まさに「余計なこと」だからである。飲食店でバイトをしたことがある者は、その厨房の多くがゴキブリの巣窟になっているということぐらい、普通に知っている。しかしだからといって、余計なファンタジーを衆目に触れるところで書いていいってわけじゃない。
飲食店の厨房がゴキブリだらけなのは当然のことで、あまりにも当然のことである上に、それほど気分のいい話題でもないので、ことさらに公衆の面前では話題にしないだけのことである。それにそんなことを気にしていたら外食ができなくなっちゃうので、あえて「忘れたフリ」をするというところもある。
私も学生時代、いろいろな飲食店でバイトをしたが、ゴキブリの出ない厨房なんてなかった。印象としてはネコぐらいの大きさのネズミがはね回っていることすら、それほど珍しくなかった。
最もすごかったのは、飲食店スタッフという仕事ではなく、某大型店舗の掃除夫のバイトをしたときである。朝一番、開店前の店舗の掃除をするのだが、テナントとして入っていた某レストランを掃除するために厨房に足を踏み入れると、「床一面のゴキブリ(実は床だけじゃないけど)」が、サァーっと潮の引くように物陰に逃げ込むのであった。
あれほどの大群のゴキブリは、調理や皿洗いのバイトをしていては、なかなかお目にかかれるものではない。それを目撃できるのは、朝一番に厨房に足を踏み入れる掃除夫の特権(?)である。でも、フツーは、あまりそれを外部で得々と語ったりはしない。
(私は今、それをやっちゃってるわけだけれど、まあ、時効だから勘弁してもらいたい)
この高校生、じゃない、元高校生は、よほど育ちが良すぎたんだろうか、ゴキブリが厨房にあふれているのが、とても珍しくて、舞い上がってしまったんだろうね。それで、ちょっとしたファンタジーを書いてみたくなったんだろう。それがどんな反響を呼んでしまうかには、あまり思いをいたすこともなしに。
要するに、苦労が足りなかったってわけだ。その分、今苦労をすることになったわけだが。
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コメント
最近の食品「偽装」及びそこから派生した諸々は、なんかもうネタになっちゃってますね。
私が一番笑ったのは、「ケン○ッキーフライドチキンでは、鳥の死体を唐揚げにしている!」という告発(笑)でした。
私が考えたのは、「○○の有機農法では大量の家畜の排泄物を利用している!」「精肉加工現場の血塗られた実態!」「○○産納豆に大量の菌混入!」「腐敗食材の利用は当たり前! 発酵食品業界の恐怖」とか……。
投稿: 山辺響 | 2007年12月11日 10:46
山辺響 さん:
先日、あるラジオ放送で、伊勢神宮の参道から実況していて、土産物屋のおかみさんにもちょっとインタビューしてました。
そこで、当然ながら赤福の話題も出て、インタビュアーが、冗談で、
「この店は、そんなインチキしてませんよね」
と振ると、おかみさん、
「はい、今は、きびしいですから」
と、非常に微妙な答え方をしちゃって、その場の空気が 「あわわわ・・・」 になってました ^^;)
食品、とくに観光地の土産物の偽装表示って、もしかしてレストランの厨房のゴキブリぐらい、普通のことだったのかも。
投稿: tak | 2007年12月11日 11:29
はじめまして。
得々と語る話ではなく、恐縮ですが、
10年程前、多摩地方にてゴキブリ駆除会社でバイトをしていました。
「床一面のゴキブリ」な店は確かにあります。
そういう所は防毒マスク+ゴーグルを着用して
強力殺虫高圧ガスボンベを投入、
隙間という隙間に向け、ブシューっと一気に噴射します。
弱って出てきたヤツを殺虫スプレーか踏み潰してトドメ。
屍骸の絨毯、死屍累々です。
翌月、相当減っていますが、まだいるので同じ処理をします。
その次の月は絶滅に近くなります。
ケンタは別会社に取られていたので行っていませんが、
マックは定期ルートでした。
マックはほとんどゴキブリがいません。
ま、あそこは食べ物を作る「厨房」とは言えないかもしれません。
それでもマニュアルのせいか、
どの店も掃除はちゃんとしていましたね。
(あくまでも当時の多摩地方のマックの話ですからね。)
2年間、百以上の店を回って思うのは、
全体的に掃除が行き届いた店はやはりゴキブリは少ないですね。
そういう所に気配りができる店は料理も相対的にうまい。
失礼しました。
投稿: リュウT | 2007年12月11日 12:59
山辺響さんに乗っかって、「農業関係者が誰も話さない、植物の大量伐採」
…イマイチだなぁ。
投稿: オッチャン | 2007年12月11日 13:10
リュウT さん:
おぉ、ゴキブリ退治の(元)プロですか。
さすが、説得力ありますねぇ。
>2年間、百以上の店を回って思うのは、
>全体的に掃除が行き届いた店はやはりゴキブリは少ないですね。
>そういう所に気配りができる店は料理も相対的にうまい。
私がバイトで掃除していたレストランの厨房は、汚れ放題でした。
閉店したら、調理器具だけは洗って、あとはそのまま帰ったという風情。
掃除は我々掃除夫任せという感じでしたね。
というわけで、その店では一度も食事をしたことがありません。
さすがに、あの厨房を見たら、食う気になれませんでしたから。
食い物屋に限らず、工場などでも、清掃の行き届いたところは、物作りもしっかりしているという印象があります。
投稿: tak | 2007年12月11日 21:03
オッチャン:
>山辺響さんに乗っかって、「農業関係者が誰も話さない、植物の大量伐採」
ウチの周りも、せっかく植えた苗が育つと、毎年無惨にも皆伐して、田んぼを丸裸にしています ^^;)
投稿: tak | 2007年12月11日 21:05
デパ地下でバイトしていた頃の話。
肉や惣菜なんかを陳列しているガラスのケースがありますね。あの中、実は大量のゴキブリが棲息しているんです。
時々、晩に中の商品を全部だしてバルサンを焚くんですが、いままで潜んでいた大量のゴキブリが苦しくなって這い出してくるんです。営業中はケース内は低温なのでどこかの隙間に入り込んでじっとしているんですね。あんなの見たら買う気しませんよ。
甘木中華街の厨房もひどいものでした。料理の中にゴキブリが入らないのが不思議でした。(中華の厨房は特にひどい、かなり掃除してもヤツラは決していなくなることはありません)
投稿: 偽浜っ子 | 2007年12月13日 23:08
偽浜っ子 さん:
そりゃまた、すごい内部告発 (?) ですねぇ!
陳列ケースの中のことまでは、知りませんでした。
我々は、結構ゴキブリと共存してるんですね。
投稿: tak | 2007年12月14日 10:24
グルメ雑誌有名なレストラン、カレー店ラーメン店でゴキブリが添えられている
大阪M区の有名な挙式・パーティーおこなう会場はゴキが、参列に加わっている。
ひどい時は歌手が歌っているステージ上でゴキがバックダンスしていた。お客様からクレームないのかな…
投稿: 匿名希望 | 2012年6月 8日 19:22
匿名希望 さん:
ある結婚披露宴の新郎新婦から両親への感謝の花束贈呈で、その花束にゴキブリがいて、それを押しつけられた新婦の母親が恐怖のあまり涙を流して卒倒したということがあり、それはずっと「感動のあまり」と言い伝えられているそうです (^o^)
投稿: tak | 2012年6月 9日 01:03
匿名希望 さん:
ある結婚披露宴の新郎新婦から両親への感謝の花束贈呈で、その花束にゴキブリがいて、それを押しつけられた新婦の母親が恐怖のあまり涙を流して卒倒したということがあり、それはずっと「感動のあまり」と言い伝えられているそうです (^o^)
投稿: tak | 2012年6月 9日 01:03