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2008年1月 3日

火の玉と火だるまと火の車と湯たんぽ

民主党の小沢代表が「火の玉になって何が何でも勝利する」とブチ上げたそうで、さっそくあちこちで「火の玉なんて言ったら、玉砕しか思い浮かばない」などと皮肉られている。

そういえば以前、橋本龍太郎元首相が「たとえ火だるまになってでも、行政改革を断行する」と言った時も、さんざん皮肉られた。

橋本さんの場合は、「首相が『火だるま』になってどうする? それを言うなら『火の玉』だろう」 と皮肉られたわけだが、この発言は、「たとえ火だるまとなっても」という文脈なのだから、言葉そのものとしては、別におかしくないと思うぞ。政治家の発言としてはセンスないけど。

小沢さんは「火だるま改革」と揶揄される原因となった橋本さんの発言を憶えていたのかいなかったのか、今回は「火の玉」という言葉を採用したわけだが、そう言えば言ったで「軍国主義的だ」などと言われている。政治家の発言というのは、なかなか難しいものだ。

「火の玉」発言は、小沢さんなりの強烈な決意と悲壮感を表現したものだろうし、彼の顔をみても、それなりに似合わないわけじゃない。しかし、他の民主党首脳の顔を思い出すと、なかなか「火の玉」なんかになりそうのない人たちばかりである。

とくに菅直人さんの顔なんか、火の玉というよりは、湯たんぽのようなイメージなんだけどなあ。案外民主党というのは、火の玉なんかになるよりは湯たんぽでいる方がいいのかもしれないし。

ただ、火の玉とか火だるまとか火の車とか、そんなものじゃない、もっとずっとグッとくる言葉を、どうして小沢さんは探そうとしないんだろうなあと、私なんか思ってしまう。こうした言葉センスのなさこそが、この際言い切っちゃうけど、この人の限界だ。

いずれにしても、あの民主党をまとめあげて「火の玉」にするのは、結構大変なことだろうなあと、つい同情しそうになってしまいもするのだが。

決して民主党の政策に期待するわけじゃないけど、まともな政権交代というものを一度ぐらいは見てみたい気もするので、橋本さんみたいに「火だるま」にならないように、言葉の力を使ってもらいと思う。

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コメント

まあ、言葉というものに、正直な、正確な、分析的な、意味合いを込めて、論理的に話す(書く)人は、案外少ないですね。

この人間社会の近未来も、根本は言葉にかかっていると思うのですが。


投稿: alex99 | 2008年1月 3日 09:03

alex さん:

言葉は雰囲気のものという感じもありますが、政治の世界で、ここまで雰囲気のみで使われると、ちょっとしらけますね。

投稿: tak | 2008年1月 3日 11:16

火の玉でも構いませんが、燃え尽きることが前提ですか…。


『改革成功したあかつきには…』余力も残っておりません…。なーんてね。


『あかつきには』も死語ですなぁ…orz。

投稿: オッチャン | 2008年1月 3日 20:17

オッチャン:

選挙に勝利した途端に燃え尽きちゃってたりしたら、洒落になりませんな ^^;)

やっぱり、「火の玉」 はヤバイかも。

投稿: tak | 2008年1月 3日 21:30

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