登録名にまつわる感動的エピソード
以前、中央線の電車の出発間際に飛び乗ったことがある。飛び乗った途端に、異次元に迷い込んだかと思った。
満員に近い車内の雰囲気が異様である。状況を理解するのに、少なくとも 3秒かかった。私はどうやら、女子バレーボール・チームの真っ直中に飛び込んでしまったようなのだ。
私の身長は 178センチで、日本人としては間違いなく背の高い方である。人の顔を見上げることあまり慣れていない。ましてや、女性の顔を見上げるなんて、滅多にない。(このあたり、女性蔑視とかいう話とはまったく無関係の、単に物理的な話なのでよろしく)
ところがその時、私の周囲の若い女性の顔は、ほとんど私の視線と同じレベルか、それより上にあるのだった。「慣れていない状況」に置かれると、人間の頭はかなり混乱する。私は、わけもなく身の置き場のない思いに囚われてしまったのだった。
それで、ふと大林素子さんのエピソードを思い出した。
女子バレーボール選手はその体格のせいで、人に言えない悩みを持つことが多いそうだ。大林素子さんも、子どもの頃から飛び抜けて長身だったために、周囲の子ども達にからかわれ、大変なコンプレックスを抱いていたという。
しかし、バレーボール選手としての才能を開花させるにつれ、自分が長身であることに自信を持つようになり、コンプレックスが消えたのだという。その間の心の動きは、彼女の自伝『マイ・ドリーム』に感動的に記してある。
そしてある日、彼女は親に貰った長身という財産に感謝する意味で、選手としての登録名を変える決意をしたのだった。
彼女の本名が「小林素子」であるというのは、ほとんど知られていない。彼女は選手としての登録名を「小林」から「大林」に変えることで、幼い頃からのコンプレックスに、最終的な別れを告げたのだった。
登録名を変えてからの彼女の活躍は、広く世に知られるところだ。
ところで、芸能人が芸名を使うのは一般的だが、スポーツ選手が「登録名」を使うというのも、それほど珍しいことではない。「イチロー」は最も有名なケースだが、そのほかにも、姓名判断などで、同じ読み方の別の漢字を登録名にするスポーツ選手は少なくない。
そうした中で、彼女の登録名変更はかなり感動的なエピソードである。
これもまた、いつものエイプリルフール・ネタだろうって? そう思うのは自由だが、彼女の登録名そのものが、元々の本名を語っていることに気付けば、そんな疑いは晴れるだろう。ほら、「大林 もと "コ"」 って。
【4月 2日 追記】
申すまでもなく、エイプリルフール・ネタです。
昨年と一昨年のネタ(参照 1、 参照 2)は、あまりにも真に受ける人が多かったので、今年は敢えてバレバレにしました。
大林さん、ネタにしちゃってゴメンナサイ。
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コメント
えー!そんな素敵なエピソードがあったんですかぁ!
…ちょっとバレー好きのオッチャンもびっくり!
投稿: オッチャン | 2008年4月 1日 07:52
オッチャン :
むむ、そうボケたか ^^;)
昨年、一昨年と、あまりにも真に受ける人が多くて、こっちがあせっちゃったんで、今年はせっかくそれを避けたのに、その上を行くボケで来られると、たじろぎます。
投稿: tak | 2008年4月 1日 09:48
>昨年、一昨年と、あまりにも真に受ける人が多くて、
…すっかり“やられた”口です。
『無線LANの盲点』も、『サブリミナル』も、『ハエトリリボンの需要』も、それはそれで短編小説になりうるとも思うぐらい、やられました…。orz
くやしいから、自分のブログで一芝居打ってみましたが、なんか田舎臭さが抜けないなぁ…。
投稿: オッチャン | 2008年4月 2日 12:59
あはは (^o^)
行ってみました。
ファンタジーですね。
投稿: tak | 2008年4月 2日 15:07
ご訪問誠に忝なく、恐悦至極に存じます。
なんと、カーちゃん(家内)が真剣に、『プラチナのヘソマガリ論』をネット検索かけてたみたいです。
ドメスティックに、してやったり…。
投稿: オッチャン | 2008年4月 2日 15:28
オッチャン:
『プラチナのヘソマガリ論』でググったら、「一致する情報は見つかりませんでした」 だと。
失礼しちゃいますね。
どうしたんだ、グーグル!?
反省して、ちゃんと見つけろ。
投稿: tak | 2008年4月 2日 23:04