KONISHIKI さんのガストリック・バイパス
昨日から "Today's Crack" に、「ガストリック・バイパス」 というキーワードで検索したアクセスが目立っている。
KONISHIKI さんが病的肥満解消のため、ハワイでガストリック・バイパス手術を受けた(参照)ようだが、自分がそれについて書いた覚えはないので、驚いてしまった。
しかし、人間とは恐ろしいもので、自分のブログのサイト内検索をしてみたら、ちゃんと触れているのである。しかも 1年半以上も前に。
問題のエントリーは、一昨年 8月 19日付の、"「マンガ」 が英語として認知された" というもので、出だしはこんなふうになっている。
Cube New York に 「メリアム・ウェブスターズ・カレッジエイト辞書 2006年版に加わった新語リスト」という記事がある。
今回、新たに同辞書に加わった約 100語のうち 21語が紹介されている。今さらながら "Google" が初登場し、 "manga"(マンガ)なんていう日本発の外来語もある。
で、この21語について触れた中に、「Gastric Bypass/ガストリック・バイパス(過度の肥満解消の外科手術。胃のサイズを小さくし、小腸とつなぐバイパス手術。セレブの間で静かな流行らしい)」という記述がある。自分で書いてすっかり忘れていた。
ここに紹介された 21語は、ウェブスターが厳選した 100語のうちから、さらに Cube New Nork が選んだだけあって、ほとんどは米国で定着して、今でも(多分)使われている言葉である。
中でも米国でのガストリック・バイパス手術の増加はかなりなもののようで、ひょんなことから日本でも話題になるとは、1年半前には思わなかった。
この記事を書いた時、ガストリック・バイパスは「セレブの間で静かな流行」とあるが、その手術跡はどうやって隠すんだろうと、ちらっと気になった覚えがある。セレブだけに、肌を露出する機会はけっこう多いだろうし。
今回、その疑問が解けた。ガストリック・バイパスは大きく切開するような野蛮なことはしないのである。「腹腔鏡手術」というメソッドによるもので、手術跡は 5ミリから 1センチで済むらしい。そのかわり、かなり高度なテクニックを要するらしいのだ。
それにしても、そんな高度な手術なら、費用もかなり高額に違いない。さらにこれは こちら からの孫引きだが、Agency for health care Research and Quality の調査では、手術後 6ヶ月以内に 10人のうち 4人が合併症を起こし、死亡率も 100 ~ 200人に 1人の割合という。なかなか気軽に踏み切れるものではないようなのだ。
しかし考えてみれば、セレブだからお金には困らないだろうし、100 ~ 200人に1人死ぬというリスクも、そのまま病的に太り続けて生活習慣病で死ぬリスクに比べれば、まだ低いのかもしれない。肥満で死ぬか、手術で死ぬかといえば、手術で痩せて死ぬほうがましということなのだろう。
それにしても、こんなことまでしないと解消しない肥満というのも、なかなか大変だと思いやられるのである。
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コメント
ガストリック・バイパスなど、胃をの一部を切除したり、胃を縛っちゃったりというなかなかに勇気がいりそうですね。
日本はまだ、肥満についてある程度の肥満なら”貫禄”があってよろしいくらいに思ってもらえるのかなと思ったりしますけど、アメリカだとやっぱり相当マイナスイメージなんでしょうかね。
それより、実際に肥満の為に寝たきりになってしまう人もいるという話ですから、食欲という”欲”はよくよく強いものなんですよね。
クリームの脂肪分を減らしても満足度が得られる食材の研究とかもあるようですし。
最先端の研究では遺伝子の一部の機能をブロックすると好きに食べても肥満しなくなるとか。
投稿: きんめ | 2008年3月 6日 10:05
きんめ さん:
>アメリカだとやっぱり相当マイナスイメージなんでしょうかね。
ハリウッド映画に出てくる俳優は、デブの役柄以外はみんなスリムですが、あれはまったくの幻想です。
アメリカ、とくに中西部とかだと、そこらじゅうデブばっかりですよ。
でも、スリムでないと、映画スターになれないという程度には、デブのイメージは悪いってことなんでしょうね。
セレブやスターはシェイプを保つために、結構な節制努力をしてるんだと思います。
アメリカ人は、不必要なまでの量を食って、そして金払って運動して、カロリーを消費し、それでも追いつかないと、乱暴な手術してるんですね。
すごい国です。
投稿: tak | 2008年3月 6日 11:17