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2008年3月 9日

「二の矢」を受けないために

仏教に「二の矢を受けず」という言葉がある。自分の心を整えて、様々な感情に執着しなくて済むようにということだ。

いい感情にしろ悪感情にしろ、それにいつまでもこだわっていると、ますます増幅して執着のタネになる。それを、「第二の毒矢」 に譬え、それを受けないようにするというのだ。

これについては、臨済宗妙心寺派大本山妙心寺のウェブサイトに、次のようにわかりやすく解説されているので、引用させていただく (引用元はこちら)。

雑阿含経の第十七に、『箭経』と名づけられた短いお経がある。

……お釈迦さまが弟子達に尋ねられた。
「人は誰でも、美しいものに出会えば楽しいと思い、痛い目にあえば苦しいと感じるだろう。それでは、仏教を学んだ人とそうでない人との差はどこにあるだろうか?」
 弟子達は教えていただきたいと懇願した。
 そのお答えの要点は 「第二の毒箭 (毒矢) を受けない」 ということだった。

「仏教を知らぬ人達は、楽しい事に出逢うとそれに執着し、『もっと欲しい』と “貪(むさぼ)り” の念をおこす。同様に、苦に出逢うと “瞋(いか)り” の感情にとらわれてしまう。そうして、いよいよ混迷していくのだ。

 けれども、仏教を学んだ人は、外界の刺激でいろいろな感覚は触発されるが、いたずらに感情を増幅させられることがない。それを、身受を受けても心受を受けずともいう。そこのところを、第一の矢は受けても第二の矢は受けないと表現したのだ」 ……と。

こんな話を持ち出したのは、例の花岡信昭氏の "「反基地」 勢力が叫ぶいかがわしさ" という記事に対するてんやわんやの反応をながめるうちに、なんとなくうんざりしてきてしまったからだ。

花岡氏の記事に対しては、私もそれなりに一言あったので、2月 17日に「当たり前でない状況での当たり前」というエントリーを書いた。そして、自分としてはそれで一応のけりをつけたつもりになっていた。

ところが、花岡氏のブログには、いろいろなコメントが殺到し、例えば、3月 1日付のエントリーをみても、賛否両論でかなり賑やかな状況だ。このような状況で花岡氏は昨日、 「気分を害された方に・・・ご容赦のほど」 というエントリーをあげている。

内容は、自分の記事で気分を害した人に対するお詫びでは決してない。自分の記事に対する 「読むに耐えない」 コメントで気分を害した人に、自分のブログはコメントをすべて受け入れて表示する方針なので、その旨、理解してもらいたいとアナウンスしているのだ。

そして、それに対して勘違いも甚だしいとばかりにますます否定的コメントがついているのは、ご想像の通りである。

花岡氏のちょっとセンスの悪い記事で、私まで 「そりゃ、言い方、変だろう!」 と思ったのは事実で、これはいわば 「一の矢」 を受けたのである。その気分の悪さを中和するために、私は前述の 「当たり前でない状況での当たり前」 を書いた。

その上で、私は直接議論をしかける気にはなれなかった。「悪鈍感力」 の豊富な人には、何を言っても、こちらが二の矢、三の矢、四の矢を受けるだけである。「言論の自由」 を自分の側にだけ適用し、反論の多くを 「悪口雑言、誹謗中傷」 の類に帰してしまうクセのある人には、注意が必要なのだ。

まあ、確かに、「感情的な悪口雑言、誹謗中傷」 も多いようだけどね。

とまあ、そういうわけで、ここでこうしてちょっとした注意事項を書いているわけだが、知らぬところで陰口をたたいていると思われるのも嫌なので、礼を尽くす意味で、トラバだけは送っておくことにする。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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