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2008年4月25日

立川吉幸の会に行ってきた

17日のエントリーでフィーチャーした 「立川吉幸の会」 に行ってきた。会場は上野広小路亭。実は、この寄席へは初めてである。

上野では鈴本演芸場の方がメジャーだし、広小路亭の方は、「ん? こんなところに、いつ寄席ができたんだ?」ぐらいに思っていた。入ってみると、まあ、アットホームな小屋である。

鈴本とか新宿の末広亭は、それなりに「劇場」という感じのしつらえだが、広小路亭は、客席の前半分が座椅子、後ろ半分がパイプ椅子がおいてあるだけ。先週の両国亭よりは、座椅子があるだけちょっとは寄席らしい。

それでも、両国亭の「オールナイトチョメチョメ」の時とは比較にならないぐらいの客入りである。とはいっても、多分、50人ちょっとぐらいのものだが。そうえいば前の座椅子席に、「倉庫の二階」の村田席亭の姿も見えた。

演者は立川吉幸のほか、前座の松幸、そして吉幸の師匠の談幸。吉幸さんが二席つとめた。演目は、松幸の「黄金(きん)の大黒」、吉幸の「真田小僧」、談幸の 「ねずみ」。ここで休憩が入って、最後に吉幸の「湯屋番」で締めとなった。

私は落語はそれほど詳しいってわけじゃないのだが、それでも、この 4つとも前に聞いたことがある。演者は誰だか忘れたけど。ただ、「黄金の大黒」は上方の系統で聞いたんじゃないかというような気がする。そして、下げも今回の松幸の「友達の恵比寿も呼んでくる」とは違っていたと思う。

そう思って、帰ってきてインターネットで調べてみたら、「百で米が三升じゃというとるんでな、あんまり安うならんうちに、足に踏まえてる二俵を売りに行こうと思うて」というのが出てきた。うん、確かこんな感じだったと思う。いろいろな下げがあるらしい。

真田小僧」は、もう大分若かりし頃にラジオで聞いたという記憶があるのみで、帰ってきた女房に「お前も聞きてぇか、聞きたかったら一銭出しな」というのが下げだとばかり思っていた。ところが、今回フルバージョンで聞いて、「真田小僧」 という演題の訳がわかった。

吉幸さん、口跡がいいので、こうした講談ネタの話は嫌味もなく、なかなかいける。

で、談幸師匠の「ねずみ」。左甚五郎の彫ったねずみが、「え? あれ、虎だったんですか? あたしゃ、猫かと思った」という下げが有名である。さすが師匠。味があった。

で、最後に「湯屋番」。道楽者の若旦那のお話で、古典落語のスタンダード。あまり有名な話すぎて、名人上手のバージョンを何度も聞き過ぎたせいか、吉幸さん、なかなかいいんだけれど、「これからもっと良くなるだろう」 という感想にとどまる。

芝居がかりのセリフにもっと年季が入ったら、すごく良くなると思う。私はどっちかというと歌舞伎が専門なので、このあたり、ちょっと点が辛いかもしれない。

ともあれ、先週の「オールナイトチョメチョメ」では吉幸さんのは聞けなかったわけだが、今回、ちゃんと聞けて良かったと思う。木戸銭の 1,500円以上の満足感はあった。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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