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2008年4月 5日

ビミョー語は使い方次第ってことね

日刊ゲンダイの記事 「アナタの評価下げる "ビミョ~語"」 が、ブロゴスフィアでちょっとした話題になっている。中高年の使う 「ビミョー語」ほど危ないという記事である。

煮え切らないビミョーな言い回しは周囲の評価を下げるというのだが、これ、どうもツッコミどころ満載のような気がするがなあ。

「つい口に出る『微妙』な日本語」の著者、濱田秀彦氏が、「何事も結論づけず、曖昧にしておくことは楽で角が立たないと錯覚しますが、上からは頼りないヤツ、下からははっきりしない上司と思われる」と、警鐘を鳴らしているという。

確かに曖昧な言い回しばかりするオッサンは、部下から見るとうっとうしい存在だ。しかし不思議なもので、世の中というのは、そういうオッサンほど順調に出世するようにできていたりするのである。あまり明確な言い回しで言い切ったりすると、気付いたら左遷されていたなんてことがあるのだ。

評価の下手に高すぎないオッサンは、安心して昇進させてもらえるし、あまり頭の切れすぎるやつは、周囲に疎んじられたりしてしまう。私は長い間業界記者をしていたから、そういうケースをよく見ている。

それに件の記事では「どんな発言もオブラートに包むことなく、相手の立場に立って物事を考え、潔く具体的に話そうと心がけることが大切」といい、「ウーン、微妙だな」「難しいな」「~かもしれない」などの「曖昧系」は避けるべきだと指摘していながら、途中から急にトーンが変わる。

「~するべきだ」「何度も申しますように」などの「高飛車系」も避けるべきで、「オレはそうしたほうがいいと思う」「同じ話の繰り返しで恐縮ですが」などと言い換えるといいみたいなことになるのだ。オブラートに包んだビミョーな言い回しの方が効果的ということになる。

このあたり、かなり「ビミョーそのもの」なのである。それに、見出しと記事中の「ビミョ~語」と「ビミョー語」という書き分け方もちょっと気になる。まあ、大した意味はないのだろうけど。

この記事は、一見すると 「"ビミョー語" を無意識に使いまくるやつは評価が下がるんだよ」と言っている。しかし「ただし上手に使うと、周囲を手玉にとって、うまく世間を渡れますよ」ということを、まさにビミョー語の文脈を使って、遠回しに書いたもののようなのである。

記者がそこまで意識的だったかどうかは、計りかねるけれど。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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