パンダと キティ、ドラえもん
いやはや、驚いた。日本中この話題でもちきりだが、中国からパンダを 2頭借りるのに、年間 1億円を払うんだそうだ。
「友好のシンボル」なら無料と思っていた私が馬鹿だった。恥ずかしながら甘すぎた。しかし「貸すから金寄こせ」で「友好」とは、なんだか割り切れない感覚だなあ。
これまでも中国は「友好のシンボル」として、何頭かパンダを日本に貸し出していた。日本側は「友好のシンボル」を真に受けていたが、その割には、向こうはその時々で「日中友好」を強調したり、「反日」 盛り上がったり、ずいぶんなご都合主義だなあと思っていたわけだ。
ああ、これでわかった。パンダが日中の「友好のシンボル」というのは、単なる名目で、実際は単なる「レンタル契約」というビジネスに過ぎなかったのだ。それならば日本人も、パンダを見るたびに「日中友好」なんてことを条件反射的に思い浮かべる必要は、全然ないわけだ。金払って借りてるだけなんだから。
その上でさらに思ってしまうのだが、1億円も払ってパンダを借りるというのに、日本は「ドラえもん」でも「キティちゃん」でも、ほとんど無料で貸し出しているようなもんじゃないかということである。だって、向こうじゃ知的所有権無視で使いまくりだし。
それを考えると、パンダのレンタル料 1億円なんて踏み倒してしまっても、貸し借り関係は日本側が圧倒的に貸しを作ってるという状態じゃなかろうか。
いやいや、日本は中国人の発明した「漢字」というものを無料で使いまくりだから、それでも貸し借り関係は圧倒的に中国優位だという立場もあるかもしれない。戦争中の植民地支配のどうのこうのも考えろとか。
しかしそこまで無理矢理にさかのぼると、今度は中国のチベット問題が出てくるだろうから、両刃の剣である。止めといた方がいいんじゃないかなあ。
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コメント
中華人民共和国については、今更、どうのこうの言っても主義思想がまるっきり違う国なのだから、自由資本主義の国の人間が、比較批判しても何にもならないとか思ってるわけです。マスコミが中国は、人権・言論の自由を剥奪する独裁国家だ!だから許せん。とか弾圧してるくせに、「クジラが好きで食わないと生きた心地がしないのに外国は、なぜ騒ぐ。」と被害者・弱者のようなスタンスを取る矛盾をはらんでるような気がしてならない。どの家にも、家ならではの都合や約束があるのだから、なんとも言えないが、国際法から見れば、今の中国のやってる事は滅茶苦茶。
とか言ってる私は、中国のyoukuやtudouで、見逃したテレビドラマや映画を楽しんでるわけです。著作権という概念が無い中国に万歳です。
毛沢東が、「世界は君たちのものだ。またわたしたちのものだ。だが、結局は君たちのものだ」と言ったそうですが、知的所有権も、この思想で、他人の物だが自分の物という考えがあるのではないかな?。なんて思ったりしてます。
パンダが絶滅危惧種だという事は周知の通り。だから、強気の1億円なのでしょうが、そうすると、ニッポニアニッポンという名の日本では絶滅してしまった鳥のトキなんか、相当、強気で金を要求しそうですね。日本人は色を表現するのに、夕日のなんとも言えない色を茜色と言ったりしたが、トキが絶滅したので朱鷺色という表現は無くなってしまうのでしょうかね。
中国については、突っ込んだ意見は無い私。あえて言えば、女優のチャン・ツィイーは、いいねぇー惚れ惚れします。
投稿: やっ | 2008年5月 8日 20:45
やっ さん:
私の対中国スタンスは、煎じ詰めれば「付き合いづらいなあ」 という一点に尽きます。
それは、対フランス (というか、「対パリ」 と言った方がいいかも) でも同じです。
中国とフランスが微妙な関係になっているというのは、似たもの同士だからかなあ。
投稿: tak | 2008年5月 9日 00:01