"reservation" か、"appointment" か
「エイゴの時間」というサイトに、なかなか興味深い記事を見つけた。"♪reservation or appointoment? ~ 予約" という記事である。
美容院の予約は "reservation" なのか、それとも "appointment" なのかという、日本人の感覚では微妙に迷ってしまいそうなテーマを、明快に解説している。
この 2つの単語、「リザーブ」「アポイント」と短縮されて、日本語にも入り込んでいる。それぞれ、「予約」「面会の約束」というような意味で使われている。
普通、歯医者や美容院の予約などは、日本語で「予約」という単語で言い習わされていると思う。それに引きずられて、米国でこの方面の予約をするときも、"reservation" という単語をつい使いそうになってしまうが、普通の英語では "appointment" の方を使う。
使い分けのルールは案外単純で、"reservation" は「スペース」の予約、"appointment" は「人」の予約なのだそうだ。なるほど。英語をしゃべったり書いたりするときは、単純な和英直訳感覚に引きずられてはいけないのである。
レストラン、旅行、ホテル、劇場などの予約は、テーブル、座席、部屋などの「スペース」を予約するので、"reservation" を使い、人と面会を約束をするときは、"appointment" を使う。
そして、歯医者、美容院などの「予約」も、歯科医師、美容師という人間にやってもらうことになるので、"appointment" なのだ。カタカナの 「アポイント」だと「面会の約束」というニュアンスが強いので、違和感を生じることもあるかもしれないが、外来語は外国語そのものじゃないので、割り切らなければならない。
それにしても、英語というのは「パーソナル感覚」が強い。日本人が歯医者の予約をするときは、「歯科医師」という人間を予約しているというより、歯科医の椅子を予約しているという感覚が強いようなこともあるが、英語だと「歯科医師という人間」とのパーソナルな「アポイントメント」なのである。人間対人間なのである。
ここで心配になるのが、軽薄な西洋かぶれがこの例を取り上げて、西洋の方が人間重視で、日本は軽視しているなんてことを言い出しかねないんじゃないかということだ。そこまで危惧するのは考え過ぎかもしれないが。
この場合の 「パーソナル感覚」というのは、個人としての相手の労働時間を買うという、むしろビジネスライクな感覚なので、いわゆる「ヒューマン感覚」とは違う。だから、日本文化が人間軽視というわけでは決してないということを、我々自身の名誉のために、念のため書き添えておく。
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