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2008年6月23日

信州旅日記 2

今日は長野県内に大雨洪水警報が出てしまって、いかに私が晴れ男でも、こればっかりはどうしようもなかった。雨の中の、戸隠神社と諏訪大社の巡礼である。

とくに戸隠神社は戸隠高原、つまり下界から見たら雨雲の中にあるので、もう土砂降りなんてものじゃなかった。

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それでも、中社はしっかりと傘をさして参拝できた。この分なら、奥社も行ってしまおうかと思い、駐車場に車を止めて、徒歩 30分という参道を歩き始める。

しかしそのうちに、雨は本降りから土砂降りと化し、さらに豪雨となる。山の中の参道はまたたく間に濁流みたいになってくる。

「ここで遭難しちゃったら、カッコ悪いな」と思い、諦めて引き返した。ズボンはびしょ濡れである。

しかたがないので、野尻湖方面に降りて行き、ナウマン象博物館と一茶記念館に立ち寄る。小林一茶という俳人は、洒脱な俳句を残しているが、実生活では弟と親の遺産争いでなかなか大変だったようなのである。

一茶記念館のロビーのテレビゲームで、俳諧クイズというのに挑戦し、5問全問正解したので、「たくみょう」の名を登録しておいた。上には上がいるもので、私より短時間で全問正解した人が 8人もいて、私はベスト 9 にようやく入っていた。

戸隠高原の道を引き返す途中で、米国からやってきた学生のアイザック君が雨の中で親指を立てているのを発見。長野市内まで乗せてあげる。彼はこの 5月に日本にやってきて、1年かけて北海道から九州までヒッチハイクするんだそうだ。

途中、戸隠そばをおごってあげたら、そばを食うのは初めてだということだが、美味しいと気に入っていた。うむ、そばの好きなアメリカ人が増えると、私もうれしい。「音をさせていいんだからね」というと、おずおずながら、ちゃんと音をさせてすすっていたし。

日本を 1年がかりで旅行するというほどだから、彼は、昔なら「ヘンな外人」と言われたタイプの人間である。ヨガとか座禅が大好きなんだそうだ。だったら、京都に行く前に永平寺に寄りなさいと勧めておいた。

長野市内でアイザック君をおろし、諏訪大社に向かう。来年の春まで、大きなリュックを背負って街道でヒッチハイクしてる若い外国人がいたら、アイザック君かも知れないので、乗っけてあげてもらいたい。

で、諏訪大社の話だが、一口に諏訪大社と言っても、何と諏訪湖の北と南に、4カ所のお社があるので、全部巡るのは大変だ。上社と下社があるというのは知っていたが、上社に前宮と本宮、下社に春宮と秋宮があるというのは、恥ずかしながらここに来て初めて知った。

上社本宮は、入り口の鳥居を潜った先が拝殿という、普通の日本の神社のスタイルではない。拝殿に向かって横っちょから入る。折口信夫博士が 「日本の最も古い社の形式を残している」と解説している。

神社は神の領域であって、参拝する人間は別にゲストってわけじゃなく、いわばご相伴にあずかるだけだから、正面からではなく、ご用聞きが勝手口から入るみたいに、横っちょから入るんだそうだ。なるほどね。

時代が下るにつれて、参拝客がご用聞き待遇からゲスト待遇になって、正面から入るようになったんだそうである。

上社前宮は、なかなかひなびたお社でいいムードである。ここで近所のおばあちゃんと親しくなってしまって、話に花が咲いた。このおばあちゃん、毎日急坂を登って参拝するんだそうだ。足腰が鍛えられているので、若く見える。87歳と聞いてたまげた。

このあたりから、さしもの雨も止んできて、私の晴れ男ぶりが遅ればせながら効いてきた。下社の春宮と秋宮は、傘は要らないぐらいの小降りになっていた。

明日は今回の信州旅行の本当の目的である取材の仕事に入るが、屋外での撮影は、どううやら OK になりそうである。「曇り時々晴れ」 という予報だ。つい一昨日までは「曇り時々雨」という予報だったが、「私の出張はまず大丈夫」と思っていた通りである。

遊びの日程部分では降っても、仕事になると晴れるのである。私は、本当は真面目人間の晴れ男なのである。

(ちなみに、写真は諏訪大社上社本宮)

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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