« 記憶力というもの | トップページ | 父親を殺すことで自分を罰した少女 »

2008年7月20日

クールビズのパラドックス

"クールビズ「28度では能率低下」 … 日本建築学会調査" というニュースを読んで、「ほらみろ、やっぱりそうだろう」と言いたい気持ちになった。

というのは、あちこちのお役所に行くと、むっとする暑さの中で、職員がぼうっとした顔で呆けているからである。

私はエコにはかなり熱心な方だと自認しているが、自宅で仕事をするときには、エアコンの設定温度を、環境省お薦めの 28度ではなく、恐縮ながら 26~27度にして、その上で扇風機の風が天井に当たるように、斜め上に向けてかけている。

なぜなら、そうでないと PC の前の温度は多分、優に 30度を超えてしまうだろうからだ。そうなると頭がぼうっとして、とうてい仕事に身が入らない。

エアコンの設定温度を 28度にしたところで、室内の体感温度は場所によってかなりの違いが出る。とくに PC の前ではかなり高めの温度になってしまう。PC はストーブみたいなものだからだ。本体の背面から (ノート型だと、横っちょからが多いかな?)猛烈な熱風が排出され、さらに液晶画面はさながらパネル・ヒーターの様相を帯びる。

PC を使って仕事をしている限り、エアコンの設定は 26~27度にして、そして扇風機で室内の空気を強制的にかき混ぜない限り、実際の体感温度は、絶対に 28度を上回ってしまう。

今回の調査を行った日本建築学会が、「換気や送風を組み合わせ、作業能率を下げない省エネ方法が必要だ」と提言するのも道理である。

ただ、冷気や送風だけではまだ足りない。室内のデスク配置の問題もある。多くのオフィスではなぜか必ず、エアコンの冷気が直接当たるあたりに、OL のデスクがあり、課長や部長の暑がりなオッサンたちのデスクは、エアコンから最も離れ、しかも最高の日当たりのところにある。

そのせいで、OL たちはカーディガンを羽織り、首にスカーフをまいて、さらに分厚い膝掛けをかけ、それでも青ざめた顔で震えているのに、オッサンたちは真っ赤な顔をして扇子をパタパタさせていたりするのである。

このお笑いぐさを、何とかしなければならない。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

|

« 記憶力というもの | トップページ | 父親を殺すことで自分を罰した少女 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント


いや、本当に高温と湿度と二日酔い(笑)は、知的作業の敵ですね
ただ私は、たとえ28度でも除湿してあれば大丈夫です
ということは、湿気の方が強敵か?

投稿: alex | 2008年7月20日 01:36

alex さん:

>ただ私は、たとえ28度でも除湿してあれば大丈夫です

私も、本当に自分の周囲が 28度なら、除湿してあれば OK です。
ただ、エアコンの設定が 28度でも、PC まわりは 30度越してるだろうと思われる場合が、多々ありますので、油断がなりません。

>ということは、湿気の方が強敵か?

確かに、日中の 35度をなんとか耐えても、日が沈んで気温が下がり、相対的に湿度が上がってしまうと、その方が辛かったりしますね。

投稿: tak | 2008年7月20日 20:43

お邪魔します。

>あちこちのお役所に行くと、むっとする暑さの中で、職員がぼうっとした顔で呆けているからである。

 その呆けからイライラになり、窓口で小心者の市民にあたっちゃうという、実害があります。

 (小心者の市民)

投稿: オッチャン | 2008年7月22日 12:19

オッチャン:

何やら、被害を被ったみたいな感じですね。
今年はもしかしたら、昨年以上の暑さになりそうですから、役所に行くときは心して行かないと。

投稿: tak | 2008年7月23日 00:11

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クールビズのパラドックス:

« 記憶力というもの | トップページ | 父親を殺すことで自分を罰した少女 »