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2008年7月11日

それは大分だけじゃない

大分県の教員採用試験に関する汚職が、一大ニュースとなっているが、多分、というより確実に、それは大分県だけの問題じゃない。

私の親戚の子も、大分以外の某県で、教員になるのに大変な苦労をした。親戚に県会議員や公務員や教師がいれば、そんな苦労はせずに済むというのは常識のようである。

誤解を恐れずに言ってしまうけど、私はコネ採用を一概に否定してはいない。コネにだってそれなりのメリットはあるのである。いくら成績だけがよくても、トンデモ的なキャラだったりしたらヤバイが、コネならある程度の安心感がある。とりあえず、無茶をすることはないだろう。

変な言い方になってしまうが、あまりに公明正大な採用制度で教師を作ってしまうと、どこやらのように、卒業式で国歌を歌う歌わない程度の話で大騒ぎを演じるような教師が増える。

そうしたリスクを避けようと思えば、ある程度のコネ採用をする方が安全だ。それは、これまでは暗黙の了解のようなことになっていたのだと思う。

ところが、この暗黙の了解も、ごくつつましやかに運用していればそれほどの問題にならなかっただろうに、管理側の既得権としてあまりにも肥大化しすぎると、今回のようなことになる。どんな制度でも悪のりしすぎるとろくなことにならないのである。

賄賂をもらったり、成績上位者の点数を減らしてお馬鹿の方にゲタをはかせるなんていう操作をするようになったら、それは誰が見ても「腐敗」というものである。ものすごくひいき目に見て、「腐敗」と断じることを避けても、「行き過ぎ」というのは日本全国でみられることだろうと思う。

だって、政治家と公務員と教師は、かなりの部分でほとんど世襲みたいな状態になっているじゃないか。特定郵便局長ほどじゃないにしても、先生の息子は先生というケースが異常に多い。それは日本全国であまり変わらない状態だろう。

何かの操作が行われていないはずがないのである。ゴキブリを 1匹見かけたら 100匹いると考えればいい。100匹いて、初めて 1匹見つかるのである。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

この記事は、大分だけではない。私の富山県においても教員を始め公務員採用において多く見られる。私の知る限りでは県会議員が関与(一件300万円とも言われている)している件を聞く、しかし、今頃証拠のもみ消しに躍起では、私が町職員採用試験(大卒)を受験したときもその時点(試験会場)で採用者が決まっていると知らされショックを受けたことが今まだ鮮明に浮かぶ、これに関連した事柄について、各都道府県及び市町村は今一度見直しを図るべきである。私の知る限りにおいて公表しようかとさえ思う。本当に、どうなんだろうね、不正がステイタスの現実、不正を持ち得ないものには前進がない現実。正せねば。

投稿: 天高く | 2008年7月11日 09:40

天高く さん:

>この記事は、大分だけではない。私の富山県においても教員を始め公務員採用において多く見られる。

これは、実は多くの人が 「勘づいている」 というより、既に既成の事実として 「知っている」 ことだと思います。

教員や公務員の採用試験を受けた人の多くは、「県会議員の誰それに、○百万円付け届けした方がいい」 とか、「あそこの町の新規採用は、既に決まっているから、受けてもムダ」 と言われたとか、いろいろな情報を多かれ少なかれ持っているはずです。

実際に○百万円出して公務員や教師になった人は、それを認めたら大変なことになるから、絶対に口外しないでしょうけど、試験に落ちた人だって、かなりのところまで知っているはずですね。

きっと、このあたりが世間全体に明るみに出る臨界点ということなんでしょう。

>不正がステイタスの現実、不正を持ち得ないものには前進がない現実。正せねば。

彼らは 「不正」 ではなく、単に 「既得権」 ぐらいに思ってるんでしょうね。「努力して得た既得権なんだから、使って何が悪い」 という感覚なのかも。

投稿: tak | 2008年7月11日 10:28


 高校とかにもあるけれど、最初からいくらかの席を既得権用の”推薦枠”として認めてしまえばいいかもしれませんね。
 県議なり市議なり、”この人物についてその人格の素晴らしさ、強くおすすめする”的お墨付きで入れてあげるのをおおっぴらにすれば、既得権者も推薦者も襟を正さねばならないから。
 でもそれじゃグレーなお金が動かないから推薦者には魅力はないんでしょうけれど。

投稿: きんめ | 2008年7月11日 10:50

きんめ さん:

>でもそれじゃグレーなお金が動かないから推薦者には魅力はないんでしょうけれど。

いやいや、結局その推薦者のところに金が集まりますよ。
ものすごく遠回しのルートで (^o^)

投稿: tak | 2008年7月11日 13:10

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