蚊と風呂上がりのビールの怪しい関係
蚊の季節になった。わが家は田園地帯にあり、しかも家の裏手に川が流れていて、その土手は草が生い茂っているので、蚊には非常に恵まれた立地である。
網戸を閉めていても、2匹の猫が勝手にグリグリこじ開けて出入りするので、その隙間からどんどん進入してくる。たまったものじゃない。
こちらとしても、蚊を無闇に憎んでいるわけじゃない。子孫を残すために蚊のメスが人間の血を吸わなければならないというなら、ちょっとぐらい吸われたところで急に貧血になるわけじゃあるまいし、多少は提供してあげてもいいとさえ思う。
ただ問題は、あの痒みを生じさせる物質をこちらの体内に残して行ってしまうことだ。それさえなければ、こっちだって、腕に止まった蚊を条件反射的に叩きつぶしたり、ベープマットなんか炊いて嫌がらせしたりはしないのである。
ただ、あの痒みを残す物質を残していってくれないと、こちらは蚊に対してとことん無防備になってしまい、吸われ放題血を吸われてしまって、冗談じゃなく貧血になったり、伝染病がどんどん広まってしまったりするに違いない。
そんなことになって、血を吸わせてくれる人間が滅亡してしまっては、蚊としても長期的には困るだろう。痒みを生じさせるというのは、その意味で妥協の産物なのかもしれない。ただ、蚊としてはそれで済むかも知れないが、あのイライラする痒みに悩まされる人間にとっては大迷惑なのだが。
R25.jp に「蚊に刺されやすい人、刺されにくい人の違いって何?」という記事がある。元東京大学農学部教授で蚊研究の第一人者の池庄司敏明さんという方のお説なので、信用してもよさそうな気がする。
池荘司先生によると、蚊は比較的 O型の血液を好み、次に B型、AB型と続き、A型になると若干嫌う傾向があるのだそうだ。血液型の違いを生じさせる抗原物質の味がそれぞれ異なるためだという。
おかしいなあ、うちの家族は 4種類の血液型すべてを網羅しているが、AB型の私が一番蚊に刺されやすい気がする。確かに、A型の次女は射されにくいようだが、一番好まれるはずの O型の妻は、私ほど蚊に刺されないみたじゃないか。
それは、蚊が人に近づくきっかけは人が発する物質によるもので、血の味とは別だからなのだそうだ。蚊を誘引する物質は、体の新陳代謝が活発なとき大量に発散されるので、運動、飲酒、入浴後の人や、体質的に汗っかきな人が蚊を誘引しやすいのだそうだ。
なるほど、酒を飲んだ後は、確かにかなり蚊を呼び寄せているような気がする。私が家族で一番蚊に刺されやすいのは、ただひたすら晩酌のせいだったのかもしれない。
そういわれてみれば、今年はあまり蚊に刺されなくなったような気がする。それは近頃飲酒の習慣が薄れてきて、酒と名の付くものは一滴も飲まずに寝る日が多くなってきたせいかもしれない。
考えてみれば、私は今年に入ってから、ビールとか発泡酒とかいうものを、缶ビール換算で 10本飲んでいないと思う。そうか、去年まで蚊を呼んでいたのは、風呂上がりのビールであったのか。
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