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2008年7月 4日

食品の産地とブランドについて

飛騨牛とか国産ウナギだの、産地偽装の発覚が題になっている。電車内の「週刊文春」の吊り広話告は、「信州そば、越前ガニ、芦ノ湖ワカサギ」も疑えと煽っている。

「だったら、『讃岐うどん』 はどうなるんだ?」と、私は言いたいのである。今、「讃岐うどん」 は日本中で作られてるじゃないか。

この問題に関しては、2年前に書いている(参照)。地域名と商品名を合わせた商標登録を積極的に認める「地域団体商標制度」というのがあって、この制度では、「松阪牛」は保護されるが、「さぬきうどん」は除外だという。あまりにも知名度が高くて一般名詞化されているので、伊勢エビやさつまいもと同じ扱いなんだそうだ。

私は「そりゃ、ないだろう!」と、疑問を呈しているのである。讃岐うどんは讃岐の国の業者の努力の成果でこんなにも知名度を上げたのだ。他の地域の業者が「讃岐うどん」を名乗るのは、そりゃ文字通り名前のただ乗りじゃないか。努力の成果が徒になってしまうようでは、困りものである。

まあ、商品名やブランドと、産地表示はまた別物なので、「青森県産の讃岐うどん」というのも許されるというわけなのだが、私としては釈然としないのである。この釈然としない感覚を許す風土が、飛騨牛だの比内鶏だのの偽装を軽い気持ちでやっちゃうというメンタリティを生んでいるんじゃないかと思うのだ。

いずれにしても、食品に関しての表示は、私は昔からあまり信用していない。なにしろ、シシャモじゃないシシャモとか、魚沼産コシヒカリがちょっとブレンドされただけの魚沼産コシヒカリとか、わけのわからないものが多すぎる。

そして、ブランドだけでだまされて「さすがにうまいね!」なんて言って喜んで食うやつが多すぎる。団塊の世代以前の人間なんて、どうせ子供の頃にまともなものを食ってないんだから、いくらグルメを気取ってもまともな味覚をもっているのは珍しいのである。

さらに、若い連中はファーストフードとレトルト食品で育ってるんだから、ますます味覚がおかしくなっている。「やわらか~~い!」なんていうだけで美味しいと感じる程度のものなのである。

だまされるやつばっかりだから、だますやつも出てくるのである。だが、本物の讃岐うどんはさすがに違うのだから、がんばってもらいたいのである。ヘンな結論だが。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

讃岐うどんの、小麦のほとんどが、オーストリアかニュージランドからの輸入品ですよね。確かに、打っているのは讃岐でも、原材料がそうでないなら、これも、「?」が付きませんか?納豆とか、蕎麦もそうですけど、国産材料使用と書いてあり流通しているのと、生産量に大きな開きを感じているのですが、いかがでしょうか?

投稿: ヒロ | 2008年7月 4日 10:03

ヒロ さん:

>讃岐うどんの、小麦のほとんどが、オーストリアかニュージランドからの輸入品ですよね。確かに、打っているのは讃岐でも、原材料がそうでないなら、これも、「?」が付きませんか?

言われてみれば、そりゃ、確かにそうですね。
「讃岐で取れた小麦を使用したもの」 という規定にしちゃったら、かなりの 「レアもの」 になってしまいますね。

そのへんは、私としては許しちゃいましょう。

でも、あきらかに 「これのどこが讃岐うどんなんだよ!」 と言いたくなるようなものは、「讃岐うどん」 を名乗るのは止めてもらいたいなあ。

それから、小麦粉にそば粉を混ぜただけの 「そば」 も、困ります。色はそばっぽいけど、食感は 「ひやむぎ」 なんだもの。

あれは、「そば粉入りうどん」 というカテゴリーにしてもらいたいものです。

>納豆とか、蕎麦もそうですけど、国産材料使用と書いてあり流通しているのと、生産量に大きな開きを感じているのですが、いかがでしょうか?

スーパーの売場を見ると、「国内産大豆使用」 とか 「国内産蕎麦粉使用」 (しかも 「石臼挽き」 なんてのも多すぎる気がする) が異常に多いですね。

一般の統計から遊離しすぎです。大量に輸入した大豆や蕎麦粉は、一体どこで処分しているんだと言いたくなりますね。

投稿: tak | 2008年7月 4日 12:34

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