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2008年8月 4日

夏バテを乗り切る呼吸法

知り合いに「気」というものを習っている人がいて、彼は頼まれれば、他人の肩凝りだのギックリ腰などを治してあげたりしている。実際に治るから不思議である。

彼が言うには、夏バテする人は呼吸が浅くなっているのだそうだ。なるほど確かに、暑くて堪らないときは、私も呼吸が浅い。

「気」なんてものに肩入れすると、ただでさえ私は「水伝」のシンパと疑われているフシがあるのに、さらにまた疑似科学の盲目的ビリーバーと思われかねないのでかなり危ないのだが、それでも、実際に役に立つのだからしょうがない。

私は若い頃に合気道をやっていたこともあり、一応「気」というものを認めてそのメソッドに沿っていろいろなことを行うと、確かにうまくいくことを知っている。「科学的かどうか」はおいといても、「役に立つ」ということは、体験的にしっかりと認めている。

多分「気」の効果の多くは科学的にも解明できるのだろうが、それだとやたらと小難しくなるので、一般的には「気」のコンセプトで説明する方が手っ取り早い。科学的に理解することが目的ではなく、役に立てることが目的なので、途中は端折っていいとこ取りする方が効率的だ。

ただ、自分で「気功」みたいなものをしっかり学ぶつもりがあるかということになると、私は「気」ですべてが解決するとまで信じているわけじゃないので、そこまで入れ込むつもりはない。極めた人のノウハウと技術を使わせていただくのみだ。

「夏バテする人は呼吸が浅くなっている」というのは、なかなか重要な指摘である。試しに「あぁ、俺って夏バテ気味かも」と思う人は、自分の呼吸を意識してみるがいい。確かに表面的で浅い呼吸になっているから。

それに気付いたら、すぐに深い腹式呼吸に切り替えてみればいい。ゆっくり深く呼吸するのだ。

しかし、真夏の直射日光のもとでやると危ない。そうしたところは、気温が体温より高くなっているだろうから、息を吸うたびに身体の中からさらに暖めてしまう。多分、夏に呼吸が浅くなるのは身体が自然にそれを避けているのだろう。ただ、それがくせになってずっと浅い呼吸のままだと、そりゃバテる。

涼しい日陰で深い腹式呼吸をすると、それまでの夏バテ感が確かに軽減する。それはやってみればわかる。やってみれば簡単なことを、やらずにごちゃごちゃ言うのは、少なくとも私の流儀じゃない。

「そんなのは気のせい」という人もいるが、私はそれを否定しない。文字通り「気」のせいである。立派なものである。気のせいだろうとなんだろうと、少しは楽になれるならその方がありがたい。

「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言うが、これは瞑想によって呼吸が整えられると、夏バテなんかしないという意味なのだと解釈することもできる。それに、これをやると夏バテしないだけじゃなくて、心にもいい。

腹式呼吸というのは、慣れないとなんだか難しいものである。それは意識しすぎるからいけない。簡便法は「息を吐く時だけ、腹筋を意識してゆっくりと吐く」というものだ。吸うときは、あまり難しいことを考えずに、鼻からゆっくりたっぷり息を吸えばいい。吐くときだけ、腹筋で調節してゆっくりやるのである。

ただし、涼しいところでね。そして、瞑想的呼吸法で夏バテが治ったからといって、怪しげな宗教に入れ込まないようにね。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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心と体」カテゴリの記事

コメント

 あぁ、これなんとなく分かります。
 私も基本的には方便が好きな方なので便利で快適で悪いことがないのならじゃんじゃんやればいいと思うタイプです。

 信じるものは救われるって奴ですね(笑)

 腹式呼吸にプラスして、私は”吸う”時は鼻から、吐く時は”口”から空気を抜くのが良いのではないかと体感的には思っています。って、これ普通に長距離走る時も同じですかね。
 後は吸うときよりも吐く時に時間をかけるって所でしょうか。3秒吸ったら5秒で吐くみたいな。5秒で吸ったら、8秒で。これを意識するとかなり簡単に腹式呼吸的になりますし、脈拍も落ちて安定します。

 科学的解説は難しいですが、経験則としてそういう感じです(笑)わたしもかなりエセっぽいかもしれません。

投稿: きんめ | 2008年8月 4日 12:44


気というか、気功というか、どういうものはエントロピーの法則やエネルギー法則で解明できないですよね

存在を信じたくないけれど、否定しきれない

投稿: alex | 2008年8月 4日 14:12

きんめ さん:

>信じるものは救われるって奴ですね(笑)

そうです、そうです。その通りです (^o^)

「気」 の治療も、信じない人には効かないそうです。
このあたりが、科学っぽくないので、でたらめっぽい扱いをされてしまうんですがね。

鼻から吸って口から吐くのと、吐く息の方を長くというのは、書き忘れました。補足、ありがとうございます。

8秒以上かけて息を吐くと、かなり活性化されますね。

投稿: tak | 2008年8月 4日 14:43

alex さん:

>気というか、気功というか、どういうものはエントロピーの法則やエネルギー法則で解明できないですよね

>存在を信じたくないけれど、否定しきれない

合気道でいうところの 「呼吸力」 は、力学的にも合理的な解説ができると思います。

ただ、それをやるとそっちの方に時間がかかりすぎて、実際の稽古ができなくなるから、直感的に 「呼吸力」 として、身体で覚える方が手っ取り早いので、今の稽古のメソッドになっているんだと思います。

「気」 に関しても、あまりにファンタスティックなものはほとんど 「やらせ」 でしょうけど、地味なものの多くは、合理的な説明可能だと思います。

ただ、「気」 をやる人は、科学者になりたいわけじゃないので、そっち方面に行かないだけでしょうね。

投稿: tak | 2008年8月 4日 14:48

腹式呼吸は夏バテ防止になるんですか!
いい事を教えていただきました。早速試してみます。
歌をやっていますので、腹式呼吸は得意です♪

しかし、この辺は日陰に入っても暑いんですよね。
日なたで深呼吸なんかしたら、喉が焼けつきそうです。
クーラーの利いた室内でやっても意味ないかなあ?

投稿: karin | 2008年8月 4日 22:47

karin さん:

>歌をやっていますので、腹式呼吸は得意です♪

おぉ、それでは、腹筋でささえて 8秒かけて息を吐くなんて、楽々ですね。

>クーラーの利いた室内でやっても意味ないかなあ?

いえいえ、涼しいところでも呼吸が浅くなったままということが多いので、これは効果があるんですよ。

精進してみてください。

投稿: tak | 2008年8月 5日 08:48

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