政治家の言葉センス
「消費者がやかましい」発言の太田農水相をかばうわけじゃないが、少なからぬフツーのサラリーマンだって、業界側の立場では、「消費者うぜぇ」なんて思っていたりする。
ただ太田さん、言葉に無神経すぎるみたいなので、言葉が商売道具の政治家には向かないんじゃなかろうかということだ。
太田誠一という名前は、どこかで聞いたことがあると思って、Wikipedia を検索してみたら、例のスーフリ事件で「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい」みたいな発言をしちゃった人だった。ああ、やっぱり言葉センスなさすぎだ。
「元気」といえば、4年前に小学生の少女が同級生をカッターナイフで斬りつけて死亡させた、いわゆる「長崎少女殺人事件」でも、 「元気な女性が多くなってきたということですかな」なんてピント外れを言っちゃった井上喜一防災担当大臣(当時)の例もある。
悲しいかな、言葉センスのない政治家は、一人や二人じゃないようなのだ。
「消費者がやかましい」問題に戻るが、私の関係するアパレル業界でも、「3着セットで 1,000円で買った Tシャツの裾の縫い目の糸の端がちょっと出ていると言って、執拗に商品交換を要求するような消費者がいくらでもいる。そのくらいのことはクレームをつけるまでもなく、自分で糸の端をちょいと切り取ればいいだけなのに。
世の中では「モンスター・ペアレント」が問題になっているが、「モンスター・コンシューマー」もいる。
ごく一部ではあるが、そうした「やかましい」以上の極端な人も存在するので、第一次、第二次産業でメシを食っている人は、自分の業界側にスタンスをおいてしまうと、正直なところ「消費者、うぜぇ」と思ってしまうことが少なくない。
だがフツーの神経さえもっていれば、たとえ「消費者、うぜぇ」と思ったとしても、オフィシャルな場でそんなことは決して言わない。言えるわけがない。ところが政治家だと、「一つの弾み」(参照)で、ついぽろっと言ってしまうのである。気楽というか、エラソーというか。
決して必要以上に責めるわけじゃないけれど、「たった一つの弾みでこんなことを言うんじゃ、あぶなくて政治をまかせられんな」と感じてしまうのも無理もないことだろう。
お願いだから、ごくフツーのレベルまででいいから、言葉センス(「常識」といってもいい)を磨いてもらいたいと思うのだ。
僭越ながら教えてあげるけれど、こういう場合は「日本の成熟した消費者の皆さんは、品質に関しては、おそらく世界最高水準の卓越した目をお持ちですから ……」なんて言い換えるのが、世の中の常套手段なのだよ。
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コメント
言わずもながらですが小手先の言葉のセンス以前の問題だと思います
その奥のプロセスがおかしい
今回の発言はそのまま、悪名高い(笑)彼の発想そのものではないでしょうか
まあ、根幹の本音の部分でどんなことを考えても、それは自由です
しかし、パブリックな場でのコメントとなると(本当はプライベートな場であっても人に対して言葉としてしゃべるのであれば)別ですよね
いろいろな条件・要素を考え、ロジックを組み立てて、反響をシミュレーションしてプロトタイプ本音発言をコスメティックして・・・
馬鹿じゃないの?
こういう私もそう言うプロセス無しで、プリミティブに裸の本音で不適切発言をすることがあります
飲み屋で相当酔っぱらった時です
最近も・・・ ><;
投稿: alex | 2008年8月11日 17:15
alex さん:
>今回の発言はそのまま、悪名高い(笑)彼の発想そのものではないでしょうか
まさにその通りでしょうから、困りものです。
そうした本音を、何の戦略もなしにぽろりと吐いてしまうというのは、政治家として失格です。
>こういう私もそう言うプロセス無しで、プリミティブに裸の本音で不適切発言をすることがあります
>飲み屋で相当酔っぱらった時です
>最近も・・・ ><;
聞きたかったなあ。
alex さんの場合は政治家じゃないし、むしろ確信犯でしょうから、OK です (^o^)
投稿: tak | 2008年8月11日 19:49