抗菌防臭柔道着というもの
オリンピック代表の柔道選手が着用している柔道着には、銀素材が練り込んであるんだそうだ。さぞかし高く付くんだろうなあ。
何のために銀なんか練り込むのかといういうと、抗菌機能を付加するためなんだそうだ。ふぅむ、汗かいてほったらかしにしても、臭くなったりしないようになのかなあ。 (参照)
格闘技の選手といえば、むんむんムレムレの中で大汗かいて稽古して、ものすごく汗くさくなってるなんていうイメージがあるかもしれないが、それは昔の話だ。今の格闘技の選手はとっても清潔になっている。
とくに、寝技などで互いに密着することの多い柔道やレスリングは、相手に不快な思いをさせないように、気を遣う選手が多い。プロレスラーなんか、試合前には香水やオーデコロンなんかを使ったりすることもあるらしい。
ただ、柔道着を清潔に保つのはやっぱり大変だ。試合の前にはそりゃ、きちんと洗うだろうが、稽古するたびに洗うとは限らない。夏場なんて、ちょっと洗濯を欠かしてしまうと、やっぱり汗くさくなってしまう。
私は 30代半ばまで合気道を習っていた。合気道というのは、基本的には柔道着を着て、その上に有段者になると袴をつける。柔道よりは重装備になってしまう。それだけに、夏場はどうしても汗くさくなりがちだ。
ある夏の日の夕刻、いつものように道場で稽古に励んでいると、どうも臭い。かなり臭い。
「しまった、道着(「どうぎ」と読んでね)の洗濯を忘れてたよ。この臭い、俺の道着のせいかなあ」なんて気になってしまって、受け身を取るたびに道着の袖を鼻に近づけて、クンクンやってみるのだが、どうもそれほど臭いわけじゃない。
「俺のせいじゃないみたい」と、少し安心する。それにしても、この臭いは一体誰の道着のせいなんだ?
ふと気付くと、道場で稽古しているほぼ全員が、やっぱり臭いが気になるらしく、自分の道着の袖の臭いを確かめたりしている。そして「俺じゃないみたい、それにしても ……?」 と、怪訝な顔つきになる。
そのうちに、誰かが窓の外を指さして、「何だよ~、この臭い、あのせいだよ~!」 と素っ頓狂な声を上げた。何事かと、全員窓の外をみると、隣のアパートの住人が、ドアの前に七輪を出して団扇でバタバタやりながら、何かを焼いている。そこから、強烈な臭いがする。
よくみると、金網の上に魚の干物らしきものが乗っている。あぁ、あれが音に聞く「くさや」というものか。なるほど、この強烈な臭いでは、台所のガスコンロで焼いたりしたら、臭いが消えるまで屋根の下で暮らせなくなる。外に七輪持ち出して焼くしかない。
というわけで、あの臭さは、洗濯し忘れた自分の道着のせいではないとわかって、一同ほっとしたのだが、その日は誰言うともなく、全員が道着を持ち帰って洗濯したのであった。
あの頃から、銀素材を練り込んだ道着があれば、くさやの臭いごときであんなに取り乱したりせずに済んだだろうに。
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コメント
高校の頃、男子は体育で剣道が必修になっていました。
防具や竹刀は、たしか基本的に共用のものを借りられたのですが、籠手だけは自分で買う人が多かったように思います。剣道の授業がある日は、その後一日中、手から臭いが取れないので……。
投稿: 山辺響 | 2008年8月13日 09:29
山辺響 さん:
剣道の道具は、はっきり言って、臭いきついですね。
お面も、かなり臭いです。
(剣道やってる方、ごめんなさい ^^;)
投稿: tak | 2008年8月13日 19:00
ファブリーズ必携でやってます。(笑)
投稿: やっ | 2008年8月14日 06:35
やっ さん:
なるほど、今は便利なものがありますね ^^;)
投稿: tak | 2008年8月14日 16:20