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2008年8月31日

他人の分まで演じてみる

昨日、車で仕事に出かける時に、TBS ラジオの 「土曜ワイド」 を聞いていた。永六輔さんの番組である。

そこに出演した高橋恵子さんの話がおもしろかった。彼女はサルトルの喜劇「キーン」に出演するのだが、喜劇に出るのは初めてなんだそうだ。

この芝居は、名優にして人格はハチャメチャだったという英国のシェイクスピア俳優、エドマンド・キーンの人生を描いたもので、キーンを演じるのは市村正親。関根…じゃない、高橋恵子さんは、このキーンが嫉妬に狂うほど夢中になるデンマーク大使夫人、エレナを演じる。

演出は英国人のウィリアム・オルドロイドという人なんだそうだが、この人については、私は何もしらない。ただ、この人の稽古の進め方が、とてもおもしろいんだそうだ。

普通は、役者は自分の役のセリフしかしゃべらないが、オルドロイド氏は、稽古の過程で別の役のセリフをどんどんしゃべらせる。そうすることによって、相手役の気持ちを疑似体験し、それを自分の役作りにフィードバックさせるという手法をとるらしい。

高橋恵子さんは、それがとても新鮮だったという。もしかしたら実人生でも、他人のセリフをしゃべるつもりになれたら、人間同士の関係性がとてもスムーズになるんじゃないかと言っていた。なるほどという気がした。

人生を、芝居を演じるつもりで生きて、時には他人の役割まで試演する余裕があったら、かなり楽しくやっていけるんじゃないかと思う。時には、一番嫌いなヤツの役割まで演じてみたら、大抵のことは自然に許せてしまって、ストレスだって軽くなりそうな気がする。

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