「何かを選択する」 とは?
昨夜は自由が丘のライブハウス 「マルディグラ」 で、岩崎はじめさん (以後: はじめちゃん) のライブを聴いてきた。
高校の先輩にして旧い友の古田勘一さん (以後:勘ちゃん) がゲスト出演した。はじめちゃんがプロとしてのキャリアを積むきっかけになったのが、勘ちゃんのバンドだった。
70年代初頭、勘ちゃんのバンド 「複葉機」 に、当時高校を出たばかりぐらい (だったと思う) の若いはじめちゃんがピアニストとして参加し、渋谷の今はなきジャンジャンなどに出演していた。その後、勘ちゃんは南正人のアルバムなどに参加、強烈なスライドギターで知る人ぞ知る存在となる。
その後、勘ちゃんは音楽活動を続けながらも、ペンキ職人として一本立ちして、今は 「親方」 になっている。勘ちゃんに従兄弟のはじめちゃんを紹介した H 氏は私の大学時代の同級生で、今はテレビ番組のプロデューサーだ。
H 氏の妻は、私の高校までの同級生。そして高校時代に彼女の 「トイレ友達」 だったのが、勘ちゃんの妻。人間の縁というのは、まことにまことに不思議なものである。
昨夜は勘ちゃんの歌を30年ぶりぐらいに聞いて、時間というものは心次第で変幻自在なものだと、つくづく感じた。70年代なんて、遠い昔のようだが、実はすぐそこにある。もしかしたら、去年や一昨年なんかよりずっと近い。下手したら、「ついさっき」 よりも近い。
年を取ってボケが入ると、ついさっきのことを忘れて、子供の頃の思い出話を始めたりするらしいが、なるほど道理である。私も近頃、いい具合にボケて来ているようだ。
ところで、勘ちゃんの歌を聞いているうちに、私もついまた歌いたくなってしまった。私もその昔は、シンガーソングライターだったことがあるのである。私が歌を止めるきっかけというか、数奇な運命については、こちら に書いてある。
今では、ギターの弦を押さえる左手の指先はすっかり柔らかくなってしまったし、昔の持ち歌の歌詞すら忘れかけてしまっている。人に聞かせられるような歌を、また歌えるようになるには、練習や準備だけで 1年はかかるだろう。 今の私にそれだけの時間的余裕はない。
人生とは 「選択」 の繰り返しである。そして、「何かを選択するとは、ほかの何かを諦めること」 と、以前の私は少しほろ苦い思いで信じていた。しかし、今は違う。
「何かを選択する」 ということは、「他の何かを、他の誰かにやってもらうこと」 だと、今頃ようやくわかったのである。私の代わりに道を極めてくれる人がいる。一緒に楽しめる。ありがたいことである。
ちなみに、勘ちゃんのギター 1本での 「一人ビートルズ」 はすごい。是非シリーズ化して、CD にしてもらいたいと願っている。
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コメント
おお!次々と懐かしくまた見覚えのある方々のことが出て来るじゃァありませんか。
いやいや、まだご活躍だったとはうれしい限り。
獏にいる時は、毎年、ナミさんに再会して、その度に勘ちゃんの話をしてましたよ。
takさん、でもね、人前でやるやらないは別にして、楽器を奏でること歌を歌うこと、これはやった方がいいですよ。一度はやってたんだもん、やらない手はありませんよ!
これは、神さまが人間にくれた恩恵だと、私は思ってます。
投稿: Mikio | 2008年8月 8日 21:09
Mikio さん:
>おお!次々と懐かしくまた見覚えのある方々のことが出て来るじゃァありませんか。
>いやいや、まだご活躍だったとはうれしい限り。
でしょう!
いいもんですね。
>takさん、でもね、人前でやるやらないは別にして、楽器を奏でること歌を歌うこと、これはやった方がいいですよ。一度はやってたんだもん、やらない手はありませんよ!
>これは、神さまが人間にくれた恩恵だと、私は思ってます。
かもしれませんね。
少しずつ、指先を固くしていこうかな。
投稿: tak | 2008年8月 9日 00:09