ウルグアイの金融危機だって?
私はそっち方面にはうといので、冗談じゃなく、マジで「リーマンブラザーズ」というのは、サラリーマン兄弟という意味のお笑いコンビだ思っていた。もっとずっと若い頃の話だけど。
で、米国では日本のバブル崩壊のときのような「公的資金導入」なんてことはせず、結構なハードランディングをするわけだ。
「潰れるなら、勝手に潰れろ」ということのようなのである。かなり突き放した対応だ。リーマンブラザーズとしては、日本のような救済策を少しは期待していたのかもしれないが、甘くはなかったようなのである。
うちは朝、テレビではなくラジオでニュースを聞く習慣なのだが、NHK の解説委員が「ウルグァイの金融危機が世界恐慌につながるリスク」という解説をしていた。私は 「ほほう、ウルグァイの金融危機がそんなに世界に影響するのか」と驚いて聞いていたが、いくらなんでもなんだかおかしい。
話の中身は、リーマンブラザーズだのメリルリンチだのと言っている。そのあたりから察すると、どうやら「ウルグアイ」の話ではなく「ウォール街」の話のようなのであった。それにしても、この解説委員、口跡悪すぎ。どう聞いても「ウルグアイ」にしか聞こえない。
テレビだと字幕が出るが、ラジオはその点、きちんと想像力を働かせないとまともな情報を受け取れなかったりする。
個人的には、どうせ金融取引なんかしていないので、経済が上向こうが下落しようが、一喜一憂するほどの影響はない。だから、はっきり言って人ごとである。
サブプライムローン問題に端を発した今回の騒動が、「金が金を生む」だけではなく、「金が金を消す」こともあるのだということに、人々が気付くきっかけになれば、それなりの意義はあるのだと思っている。
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コメント
ちょっと前まで、ドイツのサッカーのナショナルチームにレーマンという同じ名前(最後のNが2重だったかもしれませんが)の選手がいましたね。
さて、公的資金に関してですが、米国でもベアー・スターンズという投資銀行が3月に破綻したときには政府が介入しています。JPモルガンによる同社の救済合併を仲介した際、一定上の損失に対する補償を約束しているといわれ、これは実質的に公的資金投入とみなされています。また、同社の資金繰り対策で、それまでは銀行にしか与信していなかったFRBが投資銀行(証券会社)にまでその枠を広げたり。むしろ、日本の長銀や山一證券、三洋証券などの方がハードランディングだったのではないでしょうか。
ただ、そもそも好景気が長続きしすぎたせいでリスクを正しく評価できなくなったツケが、サブプライム問題や証券化商品の増殖による悪影響の拡大という形でまわってきているので、米当局としても救済ありきではなくなったのでしょう。モラルハザードの抑止にも重点を置かなければキリがないということを強く認識しているようです。
投資をしていないから関係ないというのは、たぶんあまり正しくないです、いい意味でも悪い意味でも。例えば、昨年までの数年間、リスクがなかなか顕在化しない平穏な市場や経済環境が続いた結果、レバレッジの高い取引が横行し、資源価格の高騰を加速させたのはご存知の通りです。また、これからのこととしては、世界の金融市場でリスク回避傾向が強まるとなぜか円高になる傾向があります。また、いうまでもなく、景気が悪くなれば誰しも影響を受けます。
と言った上で、対岸の火事という気分はあるんですけどね、私も。
投稿: きっしー | 2008年9月16日 15:22
きっしー さん:
素人にもわかりやすい解説、ありがとうございます。
>投資をしていないから関係ないというのは、たぶんあまり正しくないです、
「はっきり言って人ごと」 と書いたのは、多分、言い過ぎかもしれません。でも、やっぱり一喜一憂しないで済むので、人ごと感は強いですね。
全体の景気が悪くなれば、その中で我慢しつつ、なんとか泳ぎ切ればいいだけのことだし。
常に 「何とかなるさ」 と楽観的に思っているもので ^^;)
投稿: tak | 2008年9月16日 18:32
昔の映画に「三馬鹿兄弟」とかマルクス兄弟とかがいましたね (笑)
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の場合は、格付け会社ですから、巨大とはいえ単なる証券会社!であるリーマンとは扱いが異なるようです
そのリーマンは、ギリギリまでBank of America に吸収合併されることを期待していたようですが、Bank of America が突如メリル・リンチを吸収合併の相手に選んでしまった
となるともうリーマンの生き残るすべは無かった訳で引導を渡されてしまった
でも、リーマンが救済されないとなると今後は不安心理が増大しますね
tak-shonai さんは平気なようですが(笑)
少し前に円高に振れた時がありましたね
私はあのまま円高方向への流れが定着すると思ったのですが、とつぜんなぜか?ドル高に反転した
私は円高の方向性が出た時点で、この流れは長期化すると見て、ドル預金を損切りのために、ほとんど売却したのですが、ドル高反転でかなりの見込み損を出してしまいました
同時に世界不況が到来すると思って円建ての投信をやはり損切りした
こちらの方は今回の株価下落を考えれば、一応よかったかも知れない
もう心配しなくてもいいから (>_<);
tak-shonai さんと似たような境地になりました
私の予想がはずれてしまった時、私はどうしてドル高に反転したのか?理由がわからなかった
最近わかったことですが、この時は米・欧・日の間でドル安を市場にまかせることなく食い止めるアクションをとるという密約合意があったとのこと
う~~ん
私に断りもなく勝手に・・・(笑)
しかし、今度はもう米国も手の打ちようが無いようで、ドル安・円高への流れがまた再燃するはずです
私は米国で小事業をしていた時に、米国の中小銀行のいい加減さをいやというほど味わったし、米国の低所得者層の無知ぶり(失礼)を知っていたので、サブプライム・ローンが破綻した時に、これは底なしだなと感じました
だから、ドル安・米国経済の破綻、および世界恐慌に近い事態は必至と見ていていました
これからどうなるでしょう
アパレル業界にも、きっと不況の波が・・・
(少しは心配してもらわないとね)(笑)
投稿: alex | 2008年9月16日 23:45
>スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の場合は、格付け会社ですから、巨大とはいえ単なる証券会社!であるリーマンとは扱いが異なるようです
----
この部分は私の勘違いでした
無視して下さい
なお、私のブログに転載させていただきました
後付ながらお許し下さい
投稿: alex | 2008年9月17日 06:45
alex さん:
米国のフツーの銀行って、本当に (日本以上に) いい加減みたいですね。
"Bounced check" ってものが、あんなに頻繁に発生するのに、どうしてそんなにも皆さん、軽い気持ちでチェックを切りたがり、売る方も軽い気持ちで受け入れるのか。
そもそも、銀行のシステムがフツーにきっちりしていれば、そんなに頻繁に発生しなくてもいいんじゃないか。
と、そんなところにも、サブプライムローン問題の根っこを見るような気がします。
>これからどうなるでしょう
>アパレル業界にも、きっと不況の波が・・・
>(少しは心配してもらわないとね)(笑)
私は、
1.高度成長期には学生の身で、どんどん上がる生活費にひいひい言いながらバイトに明け暮れていたし、
2.卒業するときにはオイルショックで大変だったし、
3.やっとまともに就職したと思ったら、プラザ合意の影響をもろに受ける繊維業界だったし、
4.バブルの頃は外資系団体にいて、オーストラリア・ドル建ての世界で、いい目をみるどころか、逆作用でひいひい言ってた ---
というわけで、経済的には打たれ強いんです。alex さんとは違うんです (かな? ^^;)
投稿: tak | 2008年9月17日 10:46
私は、近くにある「リーマンズバー」っていうお姉さんのいる飲み屋さんを思い出して、何となく
笑ってしまうんですが。。。
リーマンズの破綻は、「盛者必衰の理を」という平家物語の冒頭を思い出させますね。
私の就職時は、就職氷河期まっただ中で、地元に就職した自分と比べて、外資系金融機関
に就職した人の話を聞いて「すごい!」と思っていたんですがね。
金が金を生むような(誰か虚業っていう言葉を使っていましたけど)金融工学って、アナクロ&数
学赤点常連の自分には、いまいち理解できないです。
投稿: 雪山男 | 2008年9月17日 10:50
雪山男 さん:
>私は、近くにある「リーマンズバー」っていうお姉さんのいる飲み屋さんを思い出して、何となく笑ってしまうんですが。。。
その飲み屋さん、屋号を変えないと客が寄りつかなくなったりして ^^;)
>私の就職時は、就職氷河期まっただ中で、地元に就職した自分と比べて、外資系金融機関に就職した人の話を聞いて「すごい!」と思っていたんですがね。
私の同級生にもそういうのがいましたが、バブル崩壊直前に、何人かの同級生にわけのわからん株を買えという話をもちかけて、その株券を紙切れにさせてしまい、今は住所不明で、連絡が取れません。どうなったものやら。
私は、バブル末期になる前から 「今の状況からは早めに逃亡しておかないと、奈落の底に落ちる」 と言ってました。
まあ、自分がバブルの恩恵を被らない状況にいたので、そんなことを言えたのかもしれませんがね。
alex さんのコメントのレスにも書きましたが、当時、外資系でオーストラリア・ドル建ての世界にいたので、急騰する円に追いつかなくて、周囲の浮かれ具合を、指をくわえて見ているだけでした。
投稿: tak | 2008年9月17日 11:03
日本の一般会計が約84兆円、特別会計が約180兆円で、いわゆる日本の国家予算が265兆円足らず。リーマンブラザーズ本体の負債額が64兆円。日本の国家予算の4分の1強の負債額を抱えて倒産するCEOって、一体、どんな気持ちなんだろう?競馬開催日に武蔵野線、府中本町駅あたりで見かける競馬でスッテンテンにお金を使い果たしたオケラオッチャンのような自暴自棄の気持ちなんでしょうかね?あるいは、歌舞伎役者が晴れの見栄を切ってピタッと決まった時の様な晴れ晴れした気持ちなんだろうか?
日本法人も3兆円規模の負債で倒産。
長期ローン(サブプライムローン)の支払いを熟知していない人に金を貸しちゃいけないって事ですね。それか、消費者金融のように高金利で取れる人から取れるだけ取って支払能力の低下してる人の分まで利ざやを稼ぐという方法を取ればよかったのにね。
ちなみに日本のバブル全盛期に就職した世代で、末端の技術職でもボーナスは3桁(何百円というわけじゃないですよ)でした。今の収入とさほど変わらないというのは、この20年間、一体、私は何をしていたのか?
円高になってるようですが、日本経済が順調に発展して好景気の模様で円高ならいいですが、ドルを売りたいっていうことで円が高くなるというのは、危険だと思う。JPYはUSドルの当て馬じゃねぇーってぇーの。ケツをドル紙幣で拭くような想像も出来ない大富豪が目の色を変えて右往左往している姿を想像します。
それにしても、貸し倒れのあおりを食って倒れる証券会社って、哀れっちゃ哀れ。CEOあたりの記者会見あたりで、記者が突拍子も無い突っ込みをして、CEOが若干、キレ掛かって、「あなたとは、違うんです!」とかいう記者会見あったらいいな。そうすりゃ、数日前のエントリー
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2008/09/post-184e.html
の答えがバッチリ出るのに・・・。
あなたとは違うんです!って、そりゃ、そうだ。クローンじゃないんだから・・・。って、意味が違う違う。
投稿: やっ | 2008年9月17日 11:32
コメント記事から
>>バブル崩壊直前に、何人かの同級生にわけのわからん株を買えという話をもちかけて云々
そういえば、NTT株公開の時に公募はがきが当たっていて、あのとき、借金してでも買えば、一夜のあぶく銭にありつけたのに。残念でなりません。あぶく銭があったら、マハラジャ行ってワンレン・ボディコンねーちゃんをはべらせて遊んでみたかった。若いうち(今でも若いですが)って遊び方をしらないから損しますね。若いうちは、すぐ肉欲に走ってしまうから。本当に、今の余裕で若い年代に戻れれば、「今夜も最高こぉー!!」って感じなのでしょうか?。でも、若い頃には戻りたくないですね。だって、面倒臭い。
投稿: やっ | 2008年9月17日 11:42
やっ さん:
>日本の一般会計が約84兆円、特別会計が約180兆円で、いわゆる日本の国家予算が265兆円足らず。リーマンブラザーズ本体の負債額が64兆円。日本の国家予算の4分の1強の負債額を抱えて倒産するCEOって、一体、どんな気持ちなんだろう?
それを思うと、「すごいですね」 としか言えませんね ^^;)
>CEOが若干、キレ掛かって、「あなたとは、違うんです!」とかいう記者会見あったらいいな。
関係ないですが、20年前の大統領選でのディベートを思い出しました。
共和党の副大統領候補、ダン・クェールが、「私を若すぎるという人もいるが、ジョン・F・ケネディは私の年で大統領になった」 というと、民主党の副大統領候補、ロイド・ベンツェンが、眉をひそめて首を振り、こう言いました。
"Senator, you're no Jack Kennedy."
(上院議員、あなたはジャック・ケネディじゃない)
ちなみに Jack Kennedy とは、ジョン・F・ケネディのこと。
この切り返し、大受けしたそうです。
大受けしすぎて、肝心の大統領候補のマイケル・デュカキスがかすんでしまって、それで、ブッシュ(今のジョージ・ブッシュの親父) に負けてしまったというぐらいです。
>そういえば、NTT株公開の時に公募はがきが当たっていて、あのとき、借金してでも買えば、一夜のあぶく銭にありつけたのに。残念でなりません。
NTT 株は、ぐわぁ~~~ん! と上がって、またぐわぁ~~~ん! と下がりましたね。
私の義理の父が公募に当たって買ったんですが、売り時を失ってしまって、悲しんでました。
投稿: tak | 2008年9月17日 13:15