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2008年9月18日

やっぱり「人ごと」のリーマンブラザーズ

サブプライム問題から広がったとされる米国の金融不安の、世界経済への影響はものすごく大きいというのだが、それでも私は、人ごとみたいにのほほんとしている。

米国経済がこんな風になるのは、はっきり言って何年も前から見え見えだったじゃないかとも思うのである。

米国の銀行システムというのは、思いの外にいい加減なものらしい。米国人というのは「小切手」というシステムを当たり前のように使う。企業だけじゃなく、個人でもパーソナルチェックというものを、軽い気持ちで使う。

で、その小切手が不渡りになってしまうケースが、しょっちゅう発生するのだそうだ。英語では "bounced check" (跳ね返っちゃう小切手) というのだが、本当に、一度入金された小切手の支払いが、「やっぱり先方が残高不足でした」というわけで、また引き落とされちゃったりするので、「跳ね返っちゃう」というわけなのだ。

これって、一体どういうことなのかと思っていたら、こういう 事情なのだそうだ。リンク先に行って読んでみると、フツーの日本人はあきれてしまうと思う。米国の金融社会というのは、この程度のテキトーなコンセプトで動いているのである。

で、あまりにも小切手制度の信用が低すぎるので、保証サービスみたいなビジネスが存在する。ファクタリング会社なんていうのがあって、日本でいえば手形割引みたいなことをしているのだが、それがものすごく当たり前に機能している。

手形なら 90日だの、下手すると 120日だのというのがあって、到底待ちきれないから、割引も仕方ないかもしれないが、小切手なんて、翌日にでも銀行に持って行けばいいはずなのに、それがファクタリングをかませなければいけないほどに、信用がないのである。考えるだに恐ろしい。

問題のサブプライムローン問題にしても、根っ子の部分にこうした「チョーいい加減」なコンセプトがあるから、こんなにも傷が深くなったとしか思われない。信用の低いものを証券化して、次から次に渡していくから、必ずどこかでババつかみをするやつが出てくる。わかりきった話である。そしてババが一度出たら、それが連鎖して次々に顕在化する。

「金が金を生む」なんて言っても、実体なんかないのだから、どこかで「今まで生んだ分をまとめて払わされる」ことになるのだ。

まあ、リーマンブラザーズなんて、億万長者か機関投資家しか相手にしていないから、今のところは、青くなっているのは大金持ちだけである。廻りのオッサンたちに、「あんた、リーマンブラザーズと取引があったの?」なんて聞いても、そんな人、いるはずない。

一般庶民にも影響が大きい AIG はとりあえず救済されるらしいし、まあ、どこまで行っても、私には 「人ごと」 である。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント


リーマンの破産により、銀行・生保などのリーマン向け債権は回収不可能になり損失となります
日本の金融機関全体で、数千億円にはなるでしょう
この結果、銀行は企業への融資をストップします
金を取り込んでおきたいからです
貸し渋りどころか、ストップです
銀行から融資を受けられなくなった企業の多くは破産します
銀行から金が流れなくなると、経済は減速し株は下落します
株の下落で資金調達できなくなった企業の一部も破産します
その企業の従業員も失職します

それに破綻はリーマンにとどまらず、まだ連鎖する可能性もあります


投稿: alex | 2008年9月18日 20:19

alex さん:

はい、そりゃあ、理屈ではわかってるつもりです。
でも、やっぱり感覚としてしっくりこないのは、「融資を受けないと潰れる」 企業というもののあり方です。

「融資を受けないと伸びない」 というなら、しっくりくるんですよ。はい。
でも、「融資を受けないと潰れる」 というのは、やっぱり、う~~ん ^^;)

投稿: tak | 2008年9月18日 22:44

リーマンにいたことのある私。会社の債権・債務の実態はぜ〜んぜんわかりませんけど、あの会社にいた1年間の個人的思い出がある分だけ、ひとごとじゃなかったりします。

なつかしい。。。今はもうないかと思うとちょっぴり悲しいです。

ちなみに現在は亀に食われた牛会社。もぉやだ〜、外資系金融なんて!!

投稿: sato | 2008年9月18日 23:11


>はい、そりゃあ、理屈ではわかってるつもりです。
でも、やっぱり感覚としてしっくりこないのは、「融資を受けないと潰れる」 企業というもののあり方です。

「融資を受けないと伸びない」 というなら、しっくりくるんですよ。はい。
でも、「融資を受けないと潰れる」 というのは、やっぱり、う~~ん ^^;)
ーーーー
無借金経営の会社があると、それだけで話題になります
自転車操業の中小企業など、「貸し渋り」、特に「貸しはがし」に遭えば、マネーフローが一気に立ちゆかなくなります


投稿: alex | 2008年9月19日 03:41

sato さん:

おぉ、リーマンに在籍されてたんですか。
(一時は結構羽振りがよかったんでしょうか?)

>ちなみに現在は亀に食われた牛会社。

ひ~ん、この謎々、わかりません (T_T)

投稿: tak | 2008年9月19日 10:22

alex さん:

>自転車操業の中小企業など、「貸し渋り」、特に「貸しはがし」に遭えば、マネーフローが一気に立ちゆかなくなります

はい、そのあたりはわかってはいるんですけどね。

知り合いにも、つぶれかかって、ぎりぎりのタイミングで、幸運にも三千万円の融資を受けたおかげで立ち直って、それから先は V字回復で、あとは日の出の勢いという会社もあります。

でも、そういうのは稀有な例で、よろよろの自転車操業を続けるぐらいなら、傷の浅いうちに清算してしまえばいいのにというようなのが多いですよね。

でも、そうもいかないのが浮き世の義理というもので、なかなか難しいですね。

日に日に赤字が増えつつあっても、まだ回っている間は食えるというのも現実ですので。

まるで、日本国みたい ^^;)

投稿: tak | 2008年9月19日 10:30

どもぉ
亀=バンク・オブ・アメリカ(昔はofなしのバンカメリカだったので縮めてバンカメと言ってました。)

牛=メリルリンチ(ロゴマークが雄牛なのです。)

ちなみに亀がリーマンをいただいていたら、つぶれたのはメリルだったそうです。こわ〜〜〜

投稿: sato | 2008年9月19日 21:59

sato さん:

>亀=バンク・オブ・アメリカ(昔はofなしのバンカメリカだったので縮めてバンカメと言ってました。)

>牛=メリルリンチ(ロゴマークが雄牛なのです。)

わかりました。ありがとうございます。

私がこっちの方面にもう少し察しがよければ、「バンカメ」 からの類推で簡単にわかりそうなものでしたね。
失礼しました。

ところで、バンカメは、英語では TransAm と同様、BankAm ですよね。

サイトの URL が長ったらしい www.bankofamerica.com なので、なんでシンプルな bankam.com にしなかったのかなあと、長らく思ってまして、ふと思いついて www.bankam.com に行ってみたら、変なディレクトリ・サイトでした ^^;)

バンカメさん、シンプルな方を先に取られちゃったんでしょうか。

投稿: tak | 2008年9月20日 08:28

ものは試しとばかり"bankam"のみでgoogle検索、トップに出たのが秋葉原食堂。バンゲ!(朝餉、夕餉とはよく言うが、晩餉とはあまり言わないですね。)にカムカム?そうだったら、comeでしょうね。bankamだもんなぁ。手形割引とか本当に大変でしょうね。手形を振るほど大きな商売やってなくてよかった。もともと意匠設計なんて詐欺師みたいなもんですからね。建築士なんていうのは、「足の裏についた飯粒」とか言われてますから。

投稿: やっ | 2008年9月20日 15:08

やっ さん:

>ものは試しとばかり"bankam"のみでgoogle検索、トップに出たのが秋葉原食堂。

ほんとだ ^^;)
名前の由来が、わけわかりません。

>手形を振るほど大きな商売やってなくてよかった。

まさに同感です。

投稿: tak | 2008年9月21日 21:28

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