いくら山谷でも 2~300円では泊まれない
「山谷は 200円、300円で泊まれる宿がいっぱいある」という石原都知事の発言に、台東区長が「重大な誤認」として抗議している。
そりゃそうだろう。今どき 200円とか 300円とかで泊まれる宿があるはずない。私が学生時代(ということは、30年以上前)だって、そんな安い宿は、知る限りではなかった。
もっとも、私は山谷には泊まったことがない。学生時代は東京でアパート住まいしていて、幸いにも追い立てを食らうようなことはなかったから、別に山谷の簡易宿泊所に泊まる必要がなかったのだ。だから、山谷についてはほとんど知らない。
ただ、旅先では何度か泊まった。リュックを担いでの貧乏旅行だから、まともな宿には泊まれない。駅の待合室、公園のベンチなどなど、横になれるところならばどこででも眠って夜を明かした。
そうした中で、比較的まともに眠れたのは、地元の大学の寮だ。夏休みなどは寮生が帰省しているので、部屋はがらがらである。今はどうなっているのか知らないが、そこに安い値段で泊めてもらえた。ただ当時のこととて、学生運動の強い大学だと、何とか派の活動家が議論を吹っかけてくるのには閉口したが。
その次になんとか眠れるのは、簡易宿泊所である。ただ、はっきり言って、当時の簡易宿泊所はものすごく臭いがきつかった。汗くささと酒臭さと煙草臭さの入り交じった臭いなのだが、それでも臭いというのは案外慣れてしまうもので、一晩寝るだけならなんとでもなった。
あんまりはっきり覚えていないのだが、宿泊料は、大学寮で 500円ぐらいの謝礼(学生運動に流れたのかなあ)、簡易宿泊所は、ランクによって 400円から 800円ぐらいまでの差があったと思う。まあ、当時のアルバイトの時給よりちょっと高いぐらい(2倍まではいかない)が相場だったような気がする。
で、ちょっとググって調べてみたところでは、今でもそうしたレベルの宿泊料が多いようだ。ただ、外国人観光客の宿泊も増えて、簡易宿泊所の設備も、当時より少しはこじゃれた感じになっているらしいから、時給の相場の 2倍以上というところも増えているようだが。
まあ、大したリサーチをしなくても、いくらなんでも 200円や 300円で人間 1人泊めるんでは、商売にならないことぐらいわかるだろう。石原さん、その辺の感覚はないみたいなんだなあ。
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コメント
日本語は数をまともに数えられない言語なので、しかたありません。
投稿: 山辺響 | 2008年10月 9日 10:32
山辺響 さん:
>日本語は数をまともに数えられない言語なので、しかたありません。
わはは (^o^) 座布団 5枚!
投稿: tak | 2008年10月 9日 11:26
石原都知事、三宅島でバイクレースを開催して復興に一役と躍起になってTTレースもどきのような事をしようとしたが、そのときに都知事が宿泊のために施設を改修したそうですが、その工事費が1億円超。マスコミは、私的流用じゃないか?って騒いでるが、工事を請け負ったのが地元の業者。たった数泊するためだけに地元業者に1億超もの工事費を支払うとは、さすが都知事。偉い。って言ったら怒られますか?
当時の簡易宿泊所は匂いがきつかったと書いてるtakさん、当時の特急電車を思い出してください。あの特急列車の客車の独特な匂いにやられて、上野駅を出発するも飛鳥山公園を過ぎるあたりで、はやくもリバース(吐き気)の気配。あのコールタールのような匂いとイカの匂いとおっちゃんが飲む酒の匂いが混じった微妙な匂いって何だったんでしょう?。地方のベンチは、まだゴロッと横になれるが、都会のベンチで寝転びると背中がサバ折り状態になりますね。
♪今日の仕事は辛かったぁ 後は焼酎あおるだけ♪
投稿: や | 2008年10月 9日 22:42
宿坊でも無理じゃないですかね。(笑)
子どもの頃出羽三山にお参りに連れて行かれて、宿坊に泊まりましたけど、朝早くから起こ
されて、修行僧まがいの日々でしたけど、さすがに200円では無理でしょう。(笑)
子どもの自分にとっては、肉が食えない、テレビも自由に見られないとつらいことばかりでし
たが、あの精進料理のおいしさや朝のすがすがしい空気、夕方すべてが終わってはいる風呂の
気持ちよさ、今でも覚えています。
ところで石原閣下はやっぱりどっかはずれていますね。まあもっとも当時の庶民が考えられな
いようなおしゃれな世界を書いて文壇に出てきたんだから、宜なるかなと思います。
投稿: 雪山男 | 2008年10月10日 08:58
や さん:
たった数泊するためだけに地元業者に1億超もの工事費を支払うとは、さすが都知事。偉い。って言ったら怒られますか?
石原さん、かなり贅沢好きではありますね。
というか、かなりやりたい放題。
>当時の特急電車を思い出してください。あの特急列車の客車の独特な匂いにやられて、上野駅を出発するも飛鳥山公園を過ぎるあたりで、はやくもリバース(吐き気)の気配。あのコールタールのような匂いとイカの匂いとおっちゃんが飲む酒の匂いが混じった微妙な匂いって何だったんでしょう?。
確かに、コールタールのような臭いってありましたね。私はしばらく、「特急列車の臭い」 と思ってましたが、消毒液かなんかの臭いだったんでしょうか。
禁煙席が当たり前になってから、煙草の臭いだけでなく、わけのわからない臭いも薄れましたね。
まあ、今でもうっすらとはありますが。
もしかして、シックハウス症候群の人にはきついかも。
投稿: tak | 2008年10月10日 10:10
雪山男 さん:
おぉ、出羽三山の宿坊に泊まった経験がおありですか。素晴らしい。
確かに、宿坊でも、飯抜き素泊まりとしても、200円じゃやっていけませんね ^^;)
>ところで石原閣下はやっぱりどっかはずれていますね。
本間様には及びもないが せめてなりたや都知事様 ^^;)
投稿: tak | 2008年10月10日 10:15