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2008年10月 1日

笹川さんの 「フェミニズム」

米金融安定化法案が「女性議長だから破裂した」という笹川尭自民党総務会長の発言を巡り、「Wikipedia には 『フェミニズム政策に積極的』とあるのに」と、話題になっている。

で、笑わせてくれることに、その記述の部分には「要出典」の注意マークが付いている。Wikipedia も、信用しすぎると危ない。

笹川氏の発言は、「そんなことを言って、何の得になると思ったのか?」と問い詰めてみたくなるほどだ。地元の講演会か何かで俗な「ウケ」をねらったわけでもなく、記者団に囲まれてぽろっとしゃべったというのだから、馬鹿馬鹿しすぎる。

何をどう言えば失言として叩かれるかなんて、ちょっと考えればわかるはずなのに、ワキが甘すぎだ。何年政治家をやっても、その辺り、ちっとも学んでいない人が多すぎる。

これが中山前国交相の日教組発言みたいに、「確信犯」というのなら、辻元さんなんかとバトルさせると面白いだろうが、「フェミニズム政策に積極的」という印象をもたれていたらしいのだから、語るに落ちる。

笹川氏がフェミニズム政策に積極的と思われた要因は、「夫婦別姓」を支持しているということ以外に、探しても見つからない。何しろ、Wikipedia が 「要出典」 と下駄を預けているぐらいだから。

じゃあ、「夫婦別姓」がフェミニズムかというと、そうとも言い切れない。お隣の中国と韓国は元々夫婦別姓の国だが、それをフェミニズムに立脚しているなんて考える人はいないだろう。

むしろ基本的なコンセプトとしては、父系的制度の中で妻は単に子孫を作るための道具であり、西欧的な意味合いでの「ファミリー」の一員としては認められていないのだということのような気がする。

もしかしたら笹川さん、こっちの方のコンセプトのもとに夫婦別姓を論じてきたんじゃあるまいか。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

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コメント

そういえば、上野千鶴子・小倉千加子の対談本『ザ・フェミニズム』で「フェミニストなら夫婦別姓に賛成だろうなんて、とんでもない」みたいな発言があったように思います(その論旨は忘れました……)。

投稿: 山辺響 | 2008年10月 1日 18:17

山辺響 さん:

確かに、フェミニズムと夫婦別姓は別の次元の話だと思います。

投稿: tak | 2008年10月 1日 23:00

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